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米処分場計画で米産業界と推進派議員らがDOE長官に書簡を送出(原産新聞2009-7-16号より転載)

2009年7月23日

 米国の原子力エネルギー協会(NEI)と全米公益事業協会(NARUC)は9日、米エネルギー省(DOE)のS・チュー長官がユッカマウンテン処分場(=写真)計画を取りやめる判断を下したことに伴い、原子力発電事業者による放射性廃棄物基金(NWF)への処分経費払い込みを停止させるよう同長官に書簡で要請した。

 米国の原子力発電事業者は「放射性廃棄物政策法(NWPA)」に基づき、消費者からの電気料金を通じて原子力発電量1kWhあたり0.1セント、年間で7億7000万ドルの拠出金をNWFに払い込んでいる。しかし、チュー長官が処分場計画を取りやめ、最小限の予算しか措置せず、特命の専門家委員会勧告に基づいて使用済み燃料の管理政策と代替計画を定めると判断した以上、もはやNWFへの支払いを継続する理由は無いとNEIらは断言。処分オプションを中止するのであれば、支払いの方も中止するのが妥当との見解を示した。

 NEIのM・フェーテル理事長によると、原子力事業者がこれまでに払い込んだ基金は300億ドル以上にのぼり、NWFの現在の残高は220億ドル。年間の利子だけで10億ドル以上が生み出されているにも拘らず、議会の指示により処分計画のために使われた金額はわずかだという。

 NARUCも、「経費を98年から電気料金に上乗せしてNWFに払い込んでいることを、原子力発電所を擁する州の納税者達に説明するのは非常に難しい」と強調。基金の最終的な使途について誰も明確な説明ができないまま、払い込みが続けられていると指摘した。

 なお、チュー長官に対してはこのほか、4月末にJ・マケイン上院議員を含む17名の共和党員が連名で質問状を提出。就任後6週間で処分場計画の打ち切りを決めた理由、その法的根拠、深地層処分を科学的、技術的側面から適格とみなした全米科学アカデミーらの結論を疑わせる研究結果を発見したのか、などについて、6月1日までに回答するよう求めていた。

 また、6月中旬には超党派の議員25名(共和党17名、民主党8名)がチュー長官に連名書簡を送り、ユッカマウンテン計画と米原子力規制委員会(NRC)による認可審査の継続を求めている。議員らは、使用済み燃料処分戦略の要である同計画が日程どおり進まなかった場合や、受け入れ容量が拡大されなかった場合などに予想される不都合について列記。50以上の科学的調査に基づいて決定した同計画の代替案を特命の専門家委員会が見つけ出せるとは考え難く、他の候補地を選定するのにさらに20年、150億ドルの予算が必要だと訴えた。

 さらに、同計画の科学・エンジニアリング的側面について議会とDOEに助言・勧告する立場にある放射性廃棄物技術審査委員会(NWTRB)は7日、チュー長官およびN・ペロシ下院議長、R・バード上院仮議長に宛てた書簡の中で、「処分場計画の認可審査は科学技術的に意義深い」と指摘し、その継続を促した。同委のB・ギャリック委員長は審査手続きを通じて技術的な課題をフルに評価することが可能になり、ネバダ州も含めたすべての関係者がそれぞれの論点を特定し、主張していく一助になると強調している。

米処分場計画で米産業界と推進派議員らがDOE長官に書簡を送出(原産新聞2009-7-16号より転載)

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