lights on with nuclear

 [JAIF]原産協会メールマガジン

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原産協会メールマガジン3月号
2010年3月25日発行

Index

■原子力政策推進活動

 □原子力委員会によるヒアリング(放射線利用)で報告
 □「JAIF地域ネットワーク」メンバーを対象とした勉強会・見学会を開催
 □野辺地町と松本市で、高レベル放射性廃棄物の地層処分の対話集会を開催

■国際協力活動

 □UAEの原子力推進国際諮問委員会のメンバーに服部原産理事長が就任
 □カザフスタンでの「日本原子力セミナー」に当協会職員が講師として参加
 ──原子力機構が高温ガス炉で協力推進中
 □「ロシアにおける工業所有権の保護に関するセミナー」の開催

■情報発信・出版物・会合のご案内

 □第43回原産年次大会、参加申込み受け中
 □「日韓原子力産業セミナー」・「日台原子力安全セミナー」報告書を刊行

■会員との連携活動

 第5回会員情報連絡協議会で、原子力安全・保安院の大村基盤課長が講演
 第1回原産会員フォーラムを開催

■ホームページ・動画の最新情報

 □原産協会HP(一般向け)の更新情報
 □動画配信
 □会員向けHPの更新情報
 □英文HPの更新情報
 

■原産協会役員の最近の主な活動など
■原産協会入会のお知らせ
■シリーズ「あなたに知ってもらいたい原賠制度」【13】
■げんさんな人達(原産協会役・職員によるショートエッセイ)

本文

■原子力政策推進活動

□原子力委員会によるヒアリング(放射線利用)で報告

 原子力政策大綱の政策評価「放射線利用」に係る関係機関ヒアリングの一環として、当協会は2月23日に開催された「第8回原子力委員会」において、報告を行いました。

 原子力委員会は、原子力政策大綱において示している基本的考え方に基づき、原子力の研究、開発及び利用に関する政策の妥当性の評価等を行うこととしており、これまでに、安全確保、平和利用の担保と核不拡散体制の維持・強化、原子力と国民・地域社会の共生、放射性廃棄物の処理・処分、エネルギー利用、研究開発について、報告書の取りまとめが行われています。引き続き、放射線利用、人材の育成・確保についてヒアリングが行われており、この一環として放射線利用に関する当協会の取り組みおよび産業界の声について当協会より報告することとなったものです。

 報告内容は二部構成で、第一部で当協会としての事業概要を紹介し、第二部で、当協会が運営している「量子放射線利用普及連絡協議会(座長 勝村東大教授)」を中心に、アンケート調査を行った内容について報告しました。

 当協会の事業概要では、「量子放射線利用普及連絡協議会」の活動状況を報告するとともに、当協会の作成した食品照射に関するパンフレット(「食品照射のなるほど!安心ガイド」(2006年発行)と、改訂版「ガッテン!食品照射」(2009年発行)の二種)を紹介し、広く一般の方へ配布してはどうか、とのご意見をいただきました。

 また、アンケート調査報告については、関連団体・企業が実施している理解・普及促進活動の事例を紹介すると共に、食品照射の理解普及に対する期待感、多様なRIに対する安定供給体制の構築、学校教育の充実などの産業界からの意見を紹介しました。

企業が実施している理解・普及促進活動の事例
「滅菌セミナー」(コーガアイソトープ)


具体的な意見としては、以下のような内容を報告しています。
□共通的な意見
・ 国による積極的なPRなどの理解普及促進
・ 小学校からの放射線教育推進を国に期待
・ 国家戦略(新成長戦略)等に放射線利用推進についても追加・強調
・ 食品照射の推進(馬鈴薯以外への拡大)

□個別業界からの意見
・ 線源供給業界より、Mo-99をはじめとした各種RIの国内製造推進など
・ 医療利用業界より、粒子線がん治療への健康保険適用や地域バランスなど
・ 照射サービス業界より、使用許可申請等、各種申請手続きの簡素化など

 また、原子力委員との質疑応答では、食品照射拡大について、原子力委員会に何を期待しているのかとの質問を受けました。
 世界的には食品照射が当たり前であり、日本は1970年代に先頭を走っていたが、その後ストップし、進んでいない状況や、世界で照射食品が流通しており、日本向け輸入品は別途の対応が必要な状況などを説明し、10年前に、スパイス協会が当時の厚生省へ香辛料の放射線照射殺菌の許可を要望し、その後原子力委員会の食品照射専門部会で検討をしていただいた経緯があり、さらに、食品安全委員会へ働きかけを行っていたが、現時点では進捗が見えなくなっており、引き続きフォローと、安全性の消費者への説明を行っていただけることを期待していることをお伝えしました。

 今後も、原子力委員会での動向を確認すると共に、適宜情報提供に努めていく予定です。



□「JAIF地域ネットワーク」メンバーを対象とした勉強会・見学会を開催

 JAIF地域ネットワークでは、2月16日、17日の日程で、ネットワークメンバーを対象とした、「食品照射に関する勉強会」および「関西電力 大飯発電所見学会」を行いました。京都市内で開催した勉強会の参加者は29名、大飯発電所見学会参加者は26名、17日に開催した昼食懇談会には、おおい町、高浜町地域に在住の5名の参加もあり、合計31名となりました。

 16日に開催した勉強会では、放射線利用全般にふれながら、基礎的な講義の後、少人数のグループに分かれ、グループ単位で自由に意見交換し、実際にガンマ線照射をしたスパイス(白胡椒、黒胡椒)を食味体験するワークショップ形式で行いました。

 参加者からは、、「日本では芽止めジャガイモしか認められていないのはおかしい」、「政府の指針やマスコミによる正確な情報提供が必要」、「もっと理解を深めるにはどうしたらいいか」、「一般の人は本当のことを知らない。このような仲間を増やして、良い情報を広めたい」など、広報に関する意見も多数出て、大変活発な意見交換の場となりました。

勉強会風景

 翌17日は、関西電力 大飯発電所を見学しました。大飯発電所は4基合わせた総出力が471万kW、発電量としては関西電力最大の発電所です。原子炉は加圧水型軽水炉で、1号機と2号機は、「アイスコンデンサー方式」という、格納容器の周りに設けられた1,944本のバスケットに約1,250tの氷を入れて事故時に発生する蒸気を急速に冷却するというもので、日本では大飯発電所のみで採用されています。

 3号機、4号機に関しては、「プレストレストコンクリート方式」(格納容器のコンクリート壁内部にテンドン“構造物の緊張材として用いられているPC鋼より線”を入れて、あらかじめ格納容器全体を締め付けておく方式) が採用されています。

 関西電力では、ヒューマンエラーを防ぐための工夫として、号機ごとにタービンや書類ファイルなどが色分けされていたことが印象的でした。

 昼食時には地元おおい町、高浜町にお住まいの5名を招いた懇談会を開催し、「廃炉」や「プルサーマル」の問題について意見交換をし、立地地域との交流を深めました。

大飯発電所近くで開催した昼食懇談会


 

□野辺地町と松本市で、高レベル放射性廃棄物の地層処分の対話集会を開催

 当協会では、高レベル放射性廃棄物(HLW)の地層処分について、必要性や安全性についての情報を提供し、意見交換する活動(対話集会)を全国展開しています。これまでに78回の対話集会を実施し、延べ2,500名の方々と意見交換してきました。

 3月9日に、青森県の野辺地ロータリークラブの例会において、会員の方々への卓話としてHLWの地層処分に関する対話集会の機会を持ちました。ロータリークラブとの対話集会は今回が2回目となりますが、全国的組織であるロータリークラブでの意見交換を引き続き展開できればと考えています。

 また11日には、長野県の松本市内において対話集会を開催しました。長野県での開催は、今回が初めてでしたが、この勉強会では、原子力発電に対して慎重な方々が多く参加し、多くの質問が出され緊張感ある対話集会となりました。

 当協会では、より開かれた対話集会とするため、今後もこのような原子力に対して慎重的な方々を対象とした対話集会を増やしていく計画です。
 

野辺地ロータリークラブでの対話集会の様子

松本市内での対話集会の様子

 

■国際協力活動

□UAEの原子力推進国際諮問委員会のメンバーに服部理事長が就任

 アラブ首長国連邦(UAE)は2月22日、同国の原子力平和利用で安全性の審査などを適切に進めていく諮問機関として、H・ブリックス元国際原子力機関(IAEA)事務局長を議長とする「国際諮問委員会」(IAB)を創設し、同日、首都アブダビで第一回会合を開催しました。
 
 諮問委員会のメンバーは、議長のブリックス氏を含めて総勢9名。核科学や核不拡散、原子力規制、発電と配電、原子炉の運転、廃棄物管理、人材育成などの分野で世界中から選び抜かれた専門家で構成され、日本からは原子力産業サイドから同国の原子力計画への助言等を通じて支援を続けてきた、原産協会の服部理事長が指名されました。このほか、韓国の元科学技術大臣の鄭建謨氏、米国の上級外交官のT・グラハム大使、仏原子力庁(CEA)の長官付顧問を務めるJ・ブシャール氏などが含まれています。

 IABは今後、年に2回の会合を通じてUAEの原子力開発利用計画における安全確保や核不拡散等の基準達成状況などを評価し、それらの合理的な達成方法などについて提言します。また、報告書を作成し、国民も含めた国内外の関係者にUAEの透明性のある原子力開発利用状況を周知するために活用する予定です。

 

□カザフスタンでの「日本原子力セミナー」に当協会職員が講師として参加
   ──原子力機構が高温ガス炉で協力推進中

 ロシアNIS貿易会が、カザフスタンにおける原子力産業の発展を支援する目的で、現地で開催した「日本原子力セミナー」に、当協会国際部の小林マネージャーが専門家(講師)として参加しました。

 セミナーは、3月1、2日にクルチャトフ市の原子力研究所(IAE)研修室、4、5日に首都アスタナの原子力委員会会議室で開催されました。

クルチャトフ市の原子力研究所(IAE)研修室でのセミナー

 
 日本から専門家として、当協会職員の他に、国際経済交流財団の米村事務局長、エネ総工研の松井理事、日本原子力研究開発機構(JAEA)の高田副主幹(高温ガス炉)、黒木主査(廃棄物)の計5名が参加しました。各専門家は、日本の産業政策、原子力政策、原子力産業界の形成、人材育成、ならびにカザフスタンから特に希望のあった原子力の最先端技術(高温ガス炉と廃棄物)について、講演しました。

 クルチャトフ市でのセミナーには、原子力研究所、放射線安全・環境研究所等から20名強、首都アスタナでのセミナーには、エネルギー鉱物資源省原子力委員会、同原子力エネルギー・原子力産業局原子力エネルギー部、同原子力産業部、環境保護省、経済・予算計画省等から10名前後が参加しました。クルチャトフ市では、外界はマイナス30℃でしたが、セミナー会場は、暖房も効いており、参加者が講演に熱心に耳を傾けるとともに、活発な質疑応答が行われました。特に将来の原子力を担う若者の参加が目立ちました。

 クルチャトフ市は、旧ソ連時代に原水爆実験を行うためにつくられた秘密都市です。セミナーに先立って、原子力研究所(IAE)を表敬訪問したとき、コロデシニコフ副所長が、日本の専門家団の来訪に謝意を表するとともに、「1993年に原子力発電技術機構(NUPEC)と軽水炉の安全研究で協力を始めた。1995年からは核燃料サイクル開発機構(JNC)、日本原子力研究開発機構(JAEA)と高速炉の溶融実験を行っている。ここ数年間は、JAEAとの間でHTGR共同研究を実施している。」と述べ、日本との協力関係について強調されました。


クルチャトフ市庁舎とクルチャトフの銅像


 表敬訪問の後、高速炉の炉心溶融実験施設(Eagleスタンド)、カザフスタン材料試験トカマク炉(KTM)、ならびにポリゴン資料館を見学しました。Eagleスタンドでは、研究者から、日本の藤家先生(東工大名誉教授)の貢献に対して感謝の言葉が述べられました。

 ポリゴンはセミパラチンスク核実験場の意味です。ポリゴン資料館は、旧ソ連時代の1949~89年に計456回行われた原水爆実験の記録を残すもので、原水爆開発のハリトン、クルチャトフ、サハロフ(以上、科学者)やベリヤ(秘密警察の長官)らの肖像を手始めに、ポリゴン地図、核実験全景模型、起爆装置、核実験変質岩石、生物器官標本(生命体への影響調査、子豚、馬、羊、犬、内出血状態の内臓)、さらにネバダ・セミパラチンスク運動(核実験反対運動、1989年開始)の写真、クルチャトフの執務室などが展示されていました。

 IAEは最近「カザフスタンにおける原子力発電開発」に重点的に取り組んでいます。クルチャトフ市への低出力原発(電熱併給)建設として、日本原子力研究開発機構の高温ガス炉が候補の一つに挙げられています。原子力機構は、IAEの上部機関である国立原子力センター(NNC)や原子力委員会、アルファラビ国立大学との間で高温なガス炉に関する研究開発、安全研究、教育支援に関する覚書を締結して、協力を進めています。

 カザフスタン訪問中の3月2日には、日本とカザフスタンの間で2国間原子力協力協定が調印されました。今後の協力の進展が期待されます。



□「ロシアにおける工業所有権の保護に関するセミナー」の開催

 昨年5月の日ロ原子力協定の締結により、同協定の発効後には、両国間で具体的なビジネス、原子力関連の資機材の輸出の進展が予想されます。今後、ロシア市場への参入を希望する関係企業にとって有用な情報提供の機会となると考え、当協会は2月23日、都内で、ロシアにおける工業所有権に関するセミナーを開催しました。

 セミナーでは、ロシアの特許弁理士事務所のイネウレカ社(INEUREKA)CEOのエジェフスキー氏(=写真左)と、特許部門チーフのコズィレコワ氏(=写真下)が来日し、工業所有権の保護に関連する法整備、特許出願の状況と適用事例について説明がありました。

 工業所有権(発明、実用新案、意匠、商標等)、ノウハウの権利は、市場参加を維持するための重要なファクターです。経済的に難しい状況においても、近年のロシア特許庁への出願件数はロシア国内、海外からもコンスタントに増えていること、内、日本からの出願は、機械設備、家電製品、デジタル製品等の製造産業が主であるが、食品や医薬品産業も増加傾向にあることが紹介されました。

 ロシアで特許取得件数の多い日本企業はロシアに対する経済的関心、財・サービスの結びつきも強く、積極的な事業展開をはかっています。ロシアのWTO加盟の暁には、海外企業のロシア市場進出もダイナミックに増大し、現在、潜在的な市場参加希望企業の出願も積極的になるであろう、特に、日本の原子力を含む産業のポテンシャルからすると、財・サービスの提供は勿論、知的財産権・工業所有権の保護の分野でもより進出してくるのではないかとの予測を示しました。

 ロシアにおける知的財産権・工業所有権の保護は、ソ連時代から今日にいたるまで継承されています。現在、ロシアは関連する主な国際条約に加盟し、知的財産の国内法もそれにあわせて調整されているために、ロシアの知財法が海外の企業にとって真新しいものではないこと、近年、知的財産権侵害の取り締まりが厳しくなっており、ソ連解体時にみられたような権利侵害の事例が激減していると述べ、権利侵害時の対応は、海外企業のロシア市場への進出度のバロメータであり、ひいてはロシア経済の発展を左右する重要な問題であるとの認識を示しました。

同セミナーの講演風景

 また、現在の原子力関連案件の出願件数については、出願の受付番号(G21 核物理)としては少ないものの、別の分野における申請で原子力に関連しているケースは結構あるとの紹介がありました。

 なお、海外個人・法人によるロシア特許庁への特許の出願は、国家資格を有する弁理士(ロシア全土で1200人程度。80-90%がモスクワとサンクトペテルブルクに集中)を通して実施する必要があること、旧ソ連諸国への出願の場合、ロシアを含む旧ソ連諸国9カ国が加盟するユーラシア特許庁(於モスクワ)を通じて可能であるということです。



■情報発信・出版物・会合のご案内

□第43回原産年次大会、参加申込み受け中

 当協会は4月20日(火)から22日(木)、「エネルギー供給と温暖化対策の担い手として ─ 原子力の将来を考える」を基調テーマに、第43回原産年次大会を松江市で開催いたします。
 お早めに参加申込み戴きますようご案内いたします。
 
 大会の詳細は、こちらをご覧ください。 http://jtbcvn.jp/jaif2010/



□「日韓原子力産業セミナー」、「日台原子力安全セミナー」報告書を刊行

 当協会は、昨年10月に「第30回日韓原子力産業セミナー」、11月には「第24回日台原子力安全セミナー」を韓国原子力産業会議及び台湾の原子能委員会・核能研究所との共催で開催しました。今般、これらのセミナーの各報告書を刊行しましたのでお知らせいたします。
 同報告書は、両セミナーの内容に加え、韓国の活発な原子力開発の現状や最近の台湾の原子力事情も紹介しています。

 詳細はこちらです。
 ( http://www.jaif.or.jp/ja/news/2010/announcement_kr-tw_reports.pdf )
 申込書はこちらです。
 ( http://www.jaif.or.jp/ja/news/2010/orderform_kr-tw_reports.pdf )

 

■会員との連携活動

第5回会員情報連絡協議会で、原子力安全・保安院の大村基盤課長が講演

 当協会は2月25日、第5回「会員情報連絡協議会」を東京・霞が関の東海大学校友会館で開催しました。今回は、原子力安全・保安院の大村哲臣・原子力安全技術基盤課長から、今後の原子力安全規制の方向性を明確化した原子力安全・保安部会の基本政策小委員会が取りまとめた報告書「原子力安全規制に関する課題の整理」について講演をいただきました(=写真)。

 大村課長はその中で、原子力安全規制については、2001年の保安部会報告書の後を受け、今回の検討では、安全規制制度、安全基盤研究、人材確保などについて審議した、と説明されました。

 また、その後の安全規制を取り巻く環境変化については、①使用済み燃料の中間貯蔵事業計画や高経年化の進展など安全規制の対象範囲や内容の変化②原子力ルネッサンスなど原子力を取り巻く経済的・国際的な状況の変化③ステークホルダーとのコミュニケーションの重要性など、原子力安全をめぐる社会との関係の変化④安全規制の技術的基盤の強化と規制業務の増大・複雑化などの変化――を挙げました。

 安全規制に係わる今後の課題では、特に既存プラントの有効利用に対する安全規制では、代表プラントを選定し原子炉の運転期間を延長した場合の炉心への影響等の安全性の評価、電力会社が日々の電力需要の変動に合せて行う出力調整運転を計画する場合には、当該運転方法の安全性について確認することなどを示しました。

 また、原子力利用のグローバル化への対応では、メーカの製造段階での検査の取り扱いの明確化の検討が必要だとされました。

 最後に大村課長は、安全規制側と規制を受ける側がよりよい安全規制=効率的で効果的な安全規制=を推進していくためには、両者が「対等の立場」で、「どのような規制が望ましいのか、いろいろな意見交換を行い、それを実現するために、一緒に汗をかいてほしい」と強調されました。


第1回原産会員フォーラムを開催

 当協会は、会員相互の情報交換・ネットワーク作り目的とした「原産会員フォーラム」を3月2日、東京・一ツ橋の如水会館で開催しました。約130名が参集し、講演と講演後には懇親会を行いました。

 フォーラムでは、当協会の服部理事長が、「世界の原子力発電計画の状況について」と題する特別講演を行いました。その中で、近年における地球温暖化防止やエネルギー安定供給の観点から、世界的に原子力発電が再評価され、現在新たに40カ国が原子力発電に関心を示し、うち20カ国以上が新規導入を計画している現状を説明。「日本としても、ものづくり力、工程・品質管理、チーム力、3Sの確保といった強みを活かした貢献をしていく必要がある。」として、そのためには「①資金確保②機器供給③人材の確保④許認可スケジュール⑤プロジェクト管理――といった課題について議論を尽くし、オールジャパン体制で国際貢献していくべきである」と強調しました。

 続いて、苅込敏・日本原子力発電㈱廃止措置プロジェクト推進室長から、「東海発電所の廃止措置の現状と計画」について、駒月誠冶・中部電力㈱発電本部原子力部環境グループ主任から「浜岡原子力発電所1,2号機の廃止措置計画」について、それぞれ報告をいただきました。

第1回原産会員フォーラム


     


■ホームページ・動画の最新情報

□原産協会HP(一般向け)の更新情報 ( http://www.jaif.or.jp/ )

*国内、海外ニュースは毎週および随時更新しております。

〈原産協会からのお知らせ〉
・「第30回日韓原子力産業セミナー」、「第 24回日台原子力安全セミナー」の各報告書刊行のお知らせ (3/24)
・当協会会員専用ホームページの不安定な状態について(3/9)
・IAEAのINISデータベースのご紹介(3/5)
・韓国原子力産業会議(KAIF)第25回年次大会・展示会開催について(2/26)

〈解説・コメント・コラム〉
・電気協会報3月号掲載 服部理事長:「総括 これからの原子力社会」(3/15)



□動画配信 ( http://www.jaif.or.jp/ja/jaiftv/ )

・『第28回 東京電力 柏崎刈羽原子力発電所の現状「災害に強い 世界に誇れる発電所」へ』(3/15)


□会員向けHPの更新情報( https://www.jaif.or.jp/member/

・動画配信に、『第28回 東京電力 柏崎刈羽原子力発電所の現状「災害に強い 世界に誇れる発電所」へ』(3/15)
・【日本の原子力発電所の運転実績】2月分データを掲載 (3/8)


□英文HPの更新情報( http://www.jaif.or.jp/english/

・Atoms in Japan (AIJ) : 週刊英文ニュース(13本 3/1-3/25)
・Information:Reissue of the Report on Human Rresource Development(3/12)


■原産協会役員の最近の主な活動など

[服部理事長]
・3/3(水)~6(土) 原子力発電・核燃料サイクルに関する日米懇談会出席ワシントンD.C.出張
・3/7(日)~10(水) 民生原子力発電利用に関する国際会議出席に伴うパリ出張
・3/13(土)~16(火) 原子力人材育成に関する国際会議(IAEA)での講演に伴うUAE出張

[石塚常務理事]
・3/17(水)~20(土)インドネシア研究技術大臣府セミナー出席に伴うジャカルタ出張


◇役員の雑誌等への寄稿、インタビュー掲載記事◇
服部理事長
 ・「電気協会報」3月号」
  インタビュー記事:「原子力協力は日本の責務である」

http://www.jaif.or.jp/paper_db/member-melmag/hattori.pdf

○石塚常務理事
 ・千代田テクノル FB News
 寄稿 「FB News 創刊400号によせて」



■原産協会入会のお知らせ(2010年3月)

・三菱商事パワーシステムズ(株)
・アテックス(株)

■シリーズ「あなたに知ってもらいたい原賠制度」【13】

新規原子力導入国の主な課題および原賠制度
 今回は、新規原子力導入国の基本的な課題と原賠制度構築の要点についてQ&A方式でお話します。


Q1.(新規導入国の基本的な課題)
新たに原子力施設を導入しようとする国にとって、あらかじめ整備しておくべき基本事項とは、どのようなことですか?

A1.
・ 新規原子力導入国は、原子力安全(Safety)、核セキュリティ(Security)、核不拡散(Safeguards/ non-proliferation)の3Sを確保し、自立的な規制と長期的な政策の下で平和利用を進めることが大切です。
・ また、原子力発電を安全、安定的、効率的に運転していくため、あるいは原子力事故による損害の補償などに関する法制度の体系的な整備・制定が必須です。
・ 更に、原子力発電のインフラ構築には、人材の確保・教育育成、資金調達、国内関連産業の育成などが不可欠といえます。

【A1.の解説】
 原子力平和利用の前提としていずれの国にも、事故を起こさないようにする原子力安全(Nuclear Safety)、核拡散を防ぐIAEAの保障措置(Safeguards)、および核テロを防ぐために核不拡散条約(NPT)の締結と防護対策(Security and Physical Protection)の確保が求められており、これらはSafety, Security, Safeguards の頭文字をとって「3S」と称されています。
 IAEAの原子力発電導入に関わるガイドブック・マイルストーンドキュメントでは、3Sを含めた導入プログラムの必要なインフラとして、以下の19項目を挙げています。

(1) 国の原子力政策:国は原子力計画を明確に示し、この方針につき国内外の理解を得るとともに、国の強力かつ長期的なサポートが重要です。

(2) 原子力安全:原子力の安全は、原子力の計画・実施に関わる国・規制機関・運転者・メーカー等全ての関係者に求められるものであり、安全の確保は原子力を導入するに当たっての根幹です。

(3) 運営管理:運営管理の役割と責任は、国の原子力計画の検討から運転までの各段階で変わりますが、各段階の完遂には要求事項をしっかりと保証できるように盛り込むような高度な運営管理が不可欠です。

(4) 資金・財政:原子力計画のあらゆる段階で多額の資金が必要であり、安定的かつ継続的な財政援助や資金確保が求められます。

(5) 法的枠組み:法的枠組みは原子力計画に関わる各種団体の義務と責任を定めるものですが、特別な分野を取扱う原子力法では一般法との調整や国際条約との連携が必要です。

(6) 保障措置:「核兵器の不拡散に関する条約(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons (NPT)」に基づく核兵器等製造への転用防止義務を検証するためのIAEAの仕組みです。

(7) 規制枠組み:原子力計画の長期的な発展には独立した有能な規制組織の存在が極めて重要であり、明確な権限と適切な人材及び予算を持つ組織を設置することが必須です。

(8) 放射線防護:あらゆる状況下において、作業従事者、公衆、環境の保護の確保は必須であり、各国は医療、産業、研究分野での放射線防護を規定しています。

(9) 送電網:国のエネルギー政策の一つに原子力を採用する場合には、国の電力送電網の規模と形状を考慮することが重要事項となります。

(10)人材育成:原子力の建設、認可、運転、保守や法令に対応するための知識や技術は科学的、技術的な経験・訓練を集積したものであり、これらに関わる人材の育成が必須です。

(11)ステークホルダーとの関係:原子力の安定的な政策環境は大概のステークホルダーとの合理的な判断を必要としており、原子力におけるステークホルダーには、オピニオンリーダーである国や自治体の首長、産業界の首脳、メディアやNGOなどが挙げられますが、関係する市民の全てに適切な情報が提供され、対話集会に参加する機会を与えられることが大切です。

(12)立地場所と関連施設:立地場所の選定と評価は原子力計画を決定するための重要事項の一つであり、建設費用と理解促進(PA)により大きな影響を受けます。原子力発電施設のみならず使用済燃料中間貯蔵施設、廃棄物処理施設なども同様に周到な検討が必要です。

(13)環境保護:環境保護は原子力計画を熟慮する際に十分に留意すべきことであり、通常運転時における放射性物質の放出には特に考慮が必要です。

(14)緊急時計画:原子力施設は安全性には細心の注意を払って設計、運転が行われ、安全システム設計は施設からの放射性物質の放出を最小限にするようにされていますが、可能性はゼロではなく、異常事象は起こり得ることから施設自体のみならずサイト周辺地域に対する緊急時計画が不可欠です。

(15)安全防護対策:安全防護対策は内外の敵対者による公衆及び環境を危険に晒すような悪意ある行為を防ぐものです。

(16)燃料サイクル:核燃料サイクル戦略は原子力計画の初期段階から必要であり、どのような原子力技術を導入するかに掛かってくる重要な問題です。

(17)放射性廃棄物:放射性廃棄物の取扱い及び廃棄は原子力利用と密接に関係した基本的事項であり、放射性廃棄物は将来世代に過度の負担を押付けるのを避けるような方法で処理される必要があります。

(18)産業基盤:原子力の建設や運転は多数の製品、機器、業務が要求されるので、これらを支える活動には国内及び当該地域における産業勃興、経済成長が必要とされます。

(19)調達:原子力に関わる資材と業務の調達については、特別な品質や環境上の資格条件を要求する複雑なものとなっており、国や施設所有者、運転者の要求に応じて調達されます。


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Q2.(新規導入国の原賠制度創設に関わる要点)
新規原子力導入国が原子力損害賠償制度を創設するとき、どのようなことに留意すべきとされていますか?


A2.
・ 原子力損害賠償に関する制度は原子力を導入するために必須の制度であり、制度の基本的な仕組みはほぼ世界共通とされています。
・ 最近の新規導入国では、原賠制度の制定にあたって国内の原賠法と国際条約(パリ条約、ウィーン条約、CSC条約)を連携させて検討する方向にあります。

【A2.の解説】
 原賠制度は、IAEAの原子力導入のインフラ項目「法的枠組み」である原子力法の一環として必須のものに位置づけられています。この制度の骨子は、賠償責任の厳格化、原子力施設運営者(事業者)への責任集中、責任の免責、損害賠償措置、責任額の制限、公平な補償などから成ります。

 原子力損害の特徴として、ソ連・チェルノブイリ事故(1986年)に見られるように国境を越えた広範囲な損害の発生があります。そのため、多くの新規導入国は、国際的な原子力損害の責任に関する条約の批准を認識しつつ、原子力損害賠償に関わる国内法の整備・制定を検討する方向にあります。とりわけ、損害賠償措置額が充分に用意できない多くの発展途上国については、加盟国から補完基金が提供されるCSC条約はメリットが大きいものと思われているようです。

 この制度の損害賠償措置における責任額は各国により様々ですが、この数百億円からの責任額を直接保証している国は少なく、多くの原子力既存国では保険制度が利用されています。この損害賠償措置の方法や保険制度の仕組みについては、次号に予定しています

 シリーズ「あなたに知ってもらいたい原賠制度」のコンテンツは、あなたの声を生かして作ってまいります。原子力損害の賠償についてあなたの疑問や関心をEメールで genbai@jaif.or.jp へお寄せ下さい。


 

■げんさんな人達 (原産協会役・職員によるショートエッセイ)

待つこころ

 田舎ですごした幼い頃を思えば、最近の都会の冬の寒さはさほどでもない。それなのに、春のおとずれを待つ気持ちは年ごとに強くなる。

 
 春の兆しを最初に気づかせてくれるのは、沈丁花だ。
 庭の隅に植えた沈丁花のうす桃色の花全体が少し大きくなったように見えて、つぼみが膨らんでいるのに気づく。寒さもそろそろおしまい、暖かくなるまでもう少し。そう思えてうれしくなる。

 それから何日かして、甘く、奥ゆかしい香りに鼻腔をくすぐられるのを感じて目をやると、小さな花弁がいっぱいに開いて沈丁花は盛りを迎えている。そういえばここ何日か暖かい日が続いていたと思いだす。植物は季節の移ろいに素直に反応する。

 
 冬には春の気をもよおし、春には夏の気をもよおす。
 季節は、ギアチェンジするように急に変わるわけではない。時は、次にくる時の芽生えを内包しながら進む。寒い季節の中にも次の暖かな季節の息吹がある。この時代から次の時代へ、時は重なり合いながら進む。
 人の暮らしも同じように、祖先から父母へ、私へ、そして子、孫へと何かを引き継ぎながら続くのだろう。私は何をつないでいるだろうか。沈丁花の芳香が私の足をとめ、そんなことに思いを巡らせてくれる。

 
 沈丁花という名前を初めて知ったのは、小学校高学年の頃だったと思う。国語の教科書に、その豊かな香りについての文章が写真とともにあった。どんな香りだろうと強く興味をひかれたのを覚えている。
 長じてようやく本物を知り、樹形の地味さを意外に感じたりしたが、そこはかとなくふくよかな奥深い香りと、静謐な佇まいを好ましく思った。
 いつか庭に植えたいと願っていたので、数年前、初詣の露店で苗木を見つけたときはうれしかった。地植えして、春先にたつその香りを毎年心待ちにしている。      (K K)



◎「原産協会メールマガジン」2010年3月号(2010.3.25発行)
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