福島第一、放射線データ全公開へ

東京電力は3月30日、13年度より進めてきた原子力安全改革2年間の総括を公表した。福島第一原子力発電所事故の根本原因にある「安全意識」、「技術力」、「対話力」の不足に関し、これまで行ってきた対策を踏まえ、今後の課題を取りまとめたもの。

これを受け、同社は、新たな情報公開の仕組み・組織のあり方を発表し、(1)福島第一原子力発電所で測定するすべての放射線データを公開する(2)データはWEB等で広く公開し特に社会的関心の高いものは会見で解説する(3)新たな公開ルールと運用実績は定期的に社外から監視・評価を受け透明性・信頼性を高める――こととした。また、情報公開の精神を組織全体に徹底するため、リスクコミュニケーターの役割強化を図るほか、経営幹部による地域のステークホルダーとの対話も充実させていくこととしている。

また、執行側から独立した立場で原子力安全に関する取組を監視・助言する原子力安全監視室ののジョン・クロフツ室長を4月1日付で常務執行役兼任とするとともに、同室を社長直属の組織へと改編することとした。英国原子力公社での経験のあるクロフツ氏は、資源エネルギー庁の自主的安全性向上ワーキンググループでの議論にも参画しており、東京電力によると、海外から電力会社の役員が選任されるのは初めてのこと。