衆院原子力問題特別委、原子力規制委員長らと質疑

2015年4月16日

 衆議院の原子力委員会問題調査特別委員会は4月16日、原子力規制委員会の田中俊一委員長らと質疑を行った。
 その中で、自由民主党議員より、原子力規制委員会の活動原則について、米国原子力規制委員会と比較しながら、効率性や信頼性も重視すべきとの意見があったのに対し、田中委員長は、昨秋より電力事業者の社長との意見交換を進めていることをあげたほか、新規制基準に係る審査経緯に関し、九州電力川内1、2号機では地元へ出向いての説明、高浜3、4号機では首長の意向をとらえビデオを作成したことなど、規制委員会自身の改善や、理解促進に努めていることを述べた。さらに、信頼性確保に関して、田中委員長は、「コミュニケーションをどうとるかは非常に難しい。多様な意見に耳を傾けた上で、科学的に最終意思決定を行う」などと応えた。
 また、原子力分野の人材確保に関する質問に対し、文部科学省が、原産協会が毎年実施している「原子力産業セミナー」について触れ、2015年3月の東京と大阪での開催では、合わせて47社の参加企業、393名の学生参加があったことなどを紹介した。このほか、放射線教育の充実に関して、福島第一原子力発電所事故を踏まえ、副読本の作成・配布だけでなく、測定器や実験器具を用いた放射線防護に関する実体験の必要を訴える意見もあった。