福島第一、陸側遮水壁の試験凍結開始

 資源エネルギー庁と東京電力は4月30日、福島第一原子力発電所廃止措置の進捗状況を発表した。
 1~4号機を取り囲む陸側遮水壁については、先行して凍結させる山側部分で27日時点、凍結管1,025本の建込が完了しており、28日に原子力規制委員会の認可を受けて、30日より18か所の試験凍結を開始した。
 使用済み燃料プールからの燃料取り出しに向けては、3号機プール内に水没した燃料交換機の撤去を5月下旬以降に開始するほか、3月より準備工事を進めてきた1号機建屋カバー解体は5月15日に着手の予定だ。
 敷地境界の実効線量は、多核種除去設備による汚染水処理が進んだことにより、2014年度末時点で制限値の2mSv/年未満を達成しており、2015年度末には1mSv/年未満を目指す。
 福島第一廃止措置の中長期ロードマップ改訂に向けては、原子力損害賠償・廃炉等支援機構が同じく4月30日に、その技術的根拠となる「戦略プラン」を策定した。「戦略プラン」は既に、福島県内の首長らが出席する評議会で原案が説明されており、今後の燃料デブリ取り出しについて工法オプション、シナリオなどを提案している。