原子力サプライチェーンシンポジウムの開催報告(2023.3.6開催)

2023年3月10日

当協会は2023年3月6日、経済産業省と共催で、国内原子力企業による海外展開や事業承継・人材育成支援など、原子力サプライチェーンの維持・強化策を議論するシンポジウムを都内で開催しました。この機会に経産省より、地方経済産業局や当協会など関係機関と連携し原子力関連企業を支援する枠組み「原子力サプライチェーンプラットフォーム」の設立が発表されました。参加者は会場およびオンライン併せて約400名、企業数は約180社でした。

西村康稔経産相は開会挨拶で、「地球規模の課題解決に向けて、今ほど原子力に注目が集まっているときはない」と、シンポジウムの開催意義を強調。日本の原子力産業に関し「半世紀以上にわたる卓越した技術・人材の蓄積がある」と評価する一方、「福島第一原子力発電所事故以降、大きな危機に直面している」と懸念を述べるとともに「経済安全保障の観点からもサプライチェーンの維持・強化は喫緊の課題」とし、積極的に支援していく姿勢を示しました。

シンポジウムでは、資源エネルギー庁の小澤典明次長、国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長、世界原子力協会(WNA)のサマ・ビルバオ・イ・レオン事務局長などがスピーチを行いました。また、国内における革新炉の開発に関しては、各原子力関連企業から取り組み状況が説明されました。

サプライチェーン強化の取組と題するパネルディスカッションでは、当協会の植竹明人常務理事が海外とのビジネス交流やウェブサイトによる会員企業と海外企業とのマッチング事業について紹介。世界原子力展示会などを通じて浸透を図るとともに、ウェブサイトを充実させ、「革新サプライヤーチャレンジ」事業に貢献していきたいと述べました。

当協会の新井史朗理事長は閉会挨拶の中で、「所期の成果を収めることができた」とした上で、現在、世界各国で検討されている新規建設プロジェクトに際し、「高い技術で定評のあるわが国の企業が海外のプロジェクトに参加し、それによる技術力の維持・強化とともに、世界の原子力発電所の安全性向上にも寄与できるものと考える」と述べました。

なお、シンポジウム会場では21社が参加してポスター展示が行われ、当協会からは海外展開に関心を有する会員企業の情報を掲載するウェブサイト「Nuclear Industrial Directory of Japan」を紹介しました。

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)