第69回IAEA総会への参加とブース展⽰ (2025.09.15~19)
原産協会は、2025年9⽉15⽇(⽉) 〜19⽇(⾦) の期間、オーストリア・ウィーン市のVienna International Centre(VIC)で開催された国際原⼦⼒機関(IAEA) の第69回総会にオブザーバーとして参加するとともに、政府および⺠間関係機関と連携協⼒のもとでの⽇本ブース展⽰をとりまとめ、わが国の原⼦⼒についてアピールを⾏った。
今年もパネル展⽰と⼤型モニターでの動画放映を中⼼としたブースを展開し、 第7次エネルギー基本計画のもとに継続されている次世代革新炉を中⼼とした原⼦⼒技術開発の展望を紹介した。また、東京電⼒ホールディングス株式会社に提供いただいた昨年福島第⼀原⼦⼒発電所で⾏われた燃料デブリの試験的取り出しで得られた試料の絵レプリカ(原⼨⼤、125倍)の展⽰を⾏い、福島第⼀原⼦⼒発電所の廃炉の進捗をアピールした。
また、本年は復興庁の協⼒を得て、福島名産の桃を使⽤したお菓⼦をブースを訪問された⽅に試⾷いただいたり、福島の⺠芸品「あかべこ」を⽇本の原⼦⼒に関するクイズの参加者への賞品とするなど、福島県のPRにも⼒を⼊れた。


IAEA総会
⼀般演説では城内実科学技術政策担当⼤⾂が登壇し、冒頭、広島と⻑崎に原爆が投下されてから80年を迎え、この悲劇を決して繰り返してはならないとの確固たる信念のもと、核兵器のない世界の実現に向けて国際的な取組みを主導していく と決意を表明。国際社会の分断は深まり、安全保障環境が困難な状況下において、IAEAの核不拡散及び原⼦⼒の平和利⽤における役割は、これまで以上に重要であり、⽇本がIAEAの取組みに全⾯的な⽀援を継続していくと語った。
また、⽇本はIAEAの発電のみならず、農業や医療などの幅広い分野における原⼦⼒利⽤に係る取組みを⽀持し、IAEAと緊密に連携しながら、原⼦⼒利⽤を国内外で推進する⽅針を⽰した。今年2⽉に決定された第7次エネルギー基本計画に⽰されているように、安全を最優先に、脱炭素電源の⼀つとして原⼦⼒発電を最⼤限活⽤するとともに、国際協⼒による次世代原⼦炉や核融合エネルギーの研究開発を推進していくとした。
ALPS処理⽔の海洋放出は、原⼦⼒規制委員会の関与のもと、14回にわたって計画的に安全に実施され、放出の安全性は、継続的な審査や近隣諸国を含む分析研究所や国際的な専⾨家による厳格なモニタリングを通じて、継続的に確認されていると紹介。福島第⼀原⼦⼒発電所の廃炉に向けた取組みについては、燃料デブリの試験的回収など、安全かつ着実な廃炉プロセスに向けて⼤きな進展が⾒られたとし、科学に基づく透明性の⾼い情報を国際社会に提供し、IAEAによるレビューとモニタリングに全⾯的に協⼒していくと語った。
⽇本ブース全体概要
参加機関
・公式参加機関 (9) :内閣府、⽂部科学省、経済産業省、⽇本原⼦⼒研究開発機構(JAEA) 、東京電⼒HD、⽇本原⼦⼒産業協会(JAIF) 、
東芝ESS、⽇⽴ GEベルノバ、三菱重⼯業
・部分参加機関 (2) :外務省、国際廃炉研究開発機構(IRID)
・協⼒ : 復興庁
基本テーマ
「Nuclear Power under the New Energy Strategy」
今年の⽇本ブースは、今年2⽉に閣議決定された第7次エネルギー基本計画に盛り込まれた原⼦⼒の最⼤限活⽤の実現に向け、⽇本の原⼦⼒の平和的利⽤の状況と最先端技術の研究開発の展望を幅広く紹介した。国内の先進炉開発の状況、福島第⼀原⼦⼒発電所におけるALPS処理⽔放出、燃料デブリの試験的取り出しの成果、ウラン蓄電池研究開発や医療⽤RI利⽤アクションプログラムについて説明した。
ブース展⽰内容
1. ポスター展⽰
ブース壁⾯


“Japan’s R&D Eff orts Towards Practical Deployment ofAdvanced Reactors”
資源エネルギー庁



スタンドバナー

2. 動画放映
・各機関からの原子力イノベーション関連映像
・福島第一原子力発電所および福島復興関連映像
3. 特設ウェブサイト
今年も「Green Exhibition」促進のため、紙資料の配布は必要最低限とし、⽇本ブース資料をダウンロードできる特設ウェブサイト(https://www.jaif.or.jp/IAEA2025/)を開設した。
また、サイト周知のためにビジネスカードを現地で配布した。
オープニングセレモニー
オープニングセレモニーでは今年の⽇本政府代表である城内実科学技術政策担当⼤⾂、JAEA⼩⼝理事⻑が臨席され、城内⼤⾂は、⽇本は今後も世界に向けて、科学的かつ透明性⾼く情報発信を継続していくと挨拶された。さらに、復興庁の協⼒により福島県浜通りの酒をはじめ、新酒鑑評会⾦賞受賞酒など福島の銘酒がふるまわれ、福島の復興についてもアピールした。



⼤勢の⽇本関係者に参加いただいた
来訪者
5⽇間を通しての展⽰ブース来訪者は昨年より約100名多い780名であった。主な来訪者は、城内科学技術政策担当⼤⾂、ほかサイドイベントに登壇された⽇本⼈専⾨家、主要原⼦⼒発電国や新規導⼊国、その他開発途上国の各国代表団、IAEA職員・コンサルタント・専⾨家等。




IAEA幹部との懇談
総会参加の機会を利用し、グロッシ―事務局長、チュダコフ事務局次長と面会した。

グロッシー事務局⻑との⾯会においては、原産協会から、ALPS処理⽔放出や福島第⼀原⼦⼒発電所への国際社会への理解促進におけるIAEAの貢献に深い感謝を⽰し、原⼦⼒の平和的利⽤と国際協⼒の推進においてIAEAとの協⼒関係を引き続き重視していくと伝えた。 また今年11⽉に開催されるCOP30におけるIAEAと原⼦⼒産業界の協⼒可能性等のトピックについて意⾒を交わした。
以上
お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)