第66回IAEA通常総会での一般演説から見るウクライナ問題に対する各国の姿勢

ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、今週9月26~30日にオーストリア・ウィーンで開催されている今年のIAEA(国際原子力機関)通常総会。毎年総会では、IAEA事務局長をはじめ、IAEA加盟国の代表(政府高官)が一般演説を行い、核不拡散、保障措置、核物質防護の議論をはじめ、最近ではパンデミック対応、気候変動対応、原子力発電開発計画、小型炉や先進炉の開発、放射線利用、技術協力計画などについて、各国の取組や姿勢が述べられます。

とりわけ、ウクライナ情勢が緊迫化するなか、異例の事態を迎えて行われている今年の一般演説では、各国からウクライナにおける原子力施設の状況を憂慮する声が多く聞かれました。ここでは、主な国々の演説から、ウクライナ問題に対する各国の発言を一部抜粋し、ご紹介します。

※2022年9月29日現在のIAEAウェブ上の掲載情報に基づき、当協会が作成。
掲載順は、国名のアルファベット順。


<ブラジル>

ブラジルは一貫して、ウクライナ紛争が原子力安全、セキュリティ、保障措置に与える影響について重大な懸念を表明してきた。原子力事故の回避は、すべての当事者にとって優先されるべきことである。ブラジルは、ウクライナにおける原子力安全およびセキュリティ基準の遵守と保障措置の継続的適用を確保するためのラファエル・グロッシー事務局長の取組を引き続き支持する。

ウクライナの原子力施設の安全性とセキュリティを確保することは、技術的な側面に焦点を当てた慎重な行動によってより達成される。ウクライナの原子力活動を危険にさらすような行動を避けるべく、自制することが必要である。ブラジルは、ウクライナにおける敵対行為の即時かつ包括的な停止を改めて要求する。

<デンマーク>

今回の総会は、ロシアによるウクライナへの謂れのない不当な侵略を背景に開催される。我々は、これを可能な限り強い言葉で非難する。

核不拡散体制は、非常に困難な状況を迎えている。

その答えは、困難に対処するために多国間主義や国際協力を減じることではなく、増やすことである。

デンマークは、IAEAの業務を全面的に支持する。

このような困難で危険な状況の下、ウクライナの原子力安全とセキュリティを支援するIAEAの取組は非常に重要である。

特に、ザポリージャ発電所とその周辺の状況を深く憂慮している。

事務局長が定義した7つの原則に沿って、粘り強く活動を続けている事務局長とそのスタッフに感謝する。

また、事務局長を中心とするIAEAとミッションの努力に敬意を表する。

我々はロシアに対し、軍およびその他の無許可の人員がザポリージャ発電所とウクライナ全土から撤退するよう要求する。

我々は、ロシアが先般のNPT再検討会議で合意を阻止したことに失望した。しかし、NPTは今後も国際的な核軍縮・不拡散体制の基礎であり続ける。

<エストニア>

©MOEestonia

エストニアは、ロシアのウクライナに対する戦争を最大限の強い言葉で非難する。我々は、ロシアの軍事侵攻が安全性とセキュリティ、保障措置に対する脅威として非常に懸念している。ウクライナの原子力施設は、依然として最も高いリスクにさらされている。我々は、ウクライナの状況について理事会で最近採択された決議を強く支持する。エストニアは、ザポリージャ原子力発電所周辺に原子力安全/セキュリティ保護エリアを設置するという事務局長の呼びかけを歓迎する。我々は、ロシア連邦に対し、ザポリージャから軍およびその他の人員を直ちに撤退させるよう求める。ロシアによる欧州最大の原子力発電所の占領は、今すぐ止めなければならない!我々は、この状況を注意深く監視し、国際社会への継続的な情報発信に対して、事務局長とIAEAに感謝する

最後に、私はもう一度、ロシアの侵略に立ち向かわないことは、他の主権国家に対する違法な侵略を合法化することを意味し、国際法、国連憲章、IAEA憲章の重大な違反を容認することを強調したい。無責任な核のレトリックと「脅威」は、共に行動することによって対処しなければならない。国際社会は、ロシアに責任を負わせなければならない。今こそ、多国間主義が機能することを示し、ウクライナとの連帯を示す時である。

<EU>

©Amb_Klement_EU

我々は、前例のない状況のなかで会合を行っている。EUは、ロシア連邦のウクライナに対する謂れのない不当な侵略を可能な限り強い言葉で非難する。それは、国際法、特に国連憲章の重大な違反であり、欧州と世界のセキュリティと安定を著しく損なうものである。

ロシアの行動は、3月と9月に採択された理事会決議で強調されたとおり、ウクライナにおける原子力安全とセキュリティ、そしてIAEAの保障措置検証活動に対し、深刻かつ直接的な脅威をもたらすものである。IAEA事務局長によって示された7つの不可欠な原則のそれぞれが、ロシアの侵略によって損なわれたことに深く憂慮している。事務局長が述べているように、この戦争の悲劇に、原子力発電所の事故が加わることがあってはならない。

EUは、IAEAによるザポリージャへの支援・調査ミッション(ISAMZ)の活動や同施設におけるIAEAの継続的な駐在を強く支持している。また我々は、ザポリージャ原子力発電所周辺に原子力安全/セキュリティ保護エリアを設置するという事務局長の提案も支持するが、その方法については、まだ合意が必要である。我々は、持続可能な解決策は1つしかないことを強調する。すなわち、ロシア連邦はウクライナに対する違法な侵略戦争をやめ、ウクライナの全領土、特にZNPPからすべての軍および軍事装備を無条件に撤退させ、国際的に認められた国境内におけるウクライナの領土保全、主権、独立を完全に尊重することである。

<ガーナ>

ガーナは他の加盟国とともに、ウクライナの原子力発電所、特にザポリージヤ原子力発電所に関する安全性とセキュリティの問題について深い懸念を表明する。同施設およびその周辺で進行中の危険な活動は、施設、健康、環境に対して重大な脅威を与え続けている。したがって、私たちは当事者に対し、発電所での敵対行為と砲撃を直ちに停止するよう求める。また、発電所の即時非武装化を要求する。

ガーナは、同発電所における原子力安全およびセキュリティの再確立を目的とした、事務局長報告書に概説された7つの勧告を支持する。我々は、事態の安定化を図り、発電所の運転を監視し続けるために、IAEAが発電所に引き続き駐在することを支持する。

<バチカン>

ウクライナの原子力施設の安全およびセキュリティの確保、そしてローマ法王フランシスコが最近「原子力災害」と呼んだものを防ぐための、事務局長のたゆまぬ努力を評価する。

世界各地で起きている恐ろしい紛争や不安のなかで、また、ウクライナでの戦争がエスカレートし続け、外交的解決の余地が少なくなりそうな言動を前にして、我々は対話の探求を決して放棄してはならない。我々は、確固たる決意で、無制限に対話を追求しよう。

<日本>

©JAIF

日本は、ウクライナの原子力施設の状況に重大な懸念を抱いている。ロシアのウクライナに対する不当な、謂れのない侵略行為はもとより、ウクライナの原子力発電所などの近くや施設でのロシアの軍事活動は許されないものである。日本はロシアの行動を最も強い言葉で非難する。

日本は、ウクライナにおける原子力安全およびセキュリティの7つの不可欠な原則に基づき、ウクライナの原子力安全・セキュリティの確保に向けたIAEAの継続的な取組(ウクライナへの支援、ザポリージャ原子力発電所へのミッション派遣など)を評価し、支持する。この点で、日本は、IAEAの取組を支援するために200万ユーロの拠出を約束した。日本は、ウクライナの原子力施設および核物質の安全性とセキュリティを遅滞なく回復することの必要性を強調する。

<韓国>

韓国は他IAEA加盟国とともに、ザポリージヤ原子力発電所を含む原子力施設の安全が深刻な脅威にさらされているウクライナの状況について重大な懸念を表明したい。

さらに、IAEAの保障措置、原子力安全、核セキュリティに関する規則はもとより、原子力発電所の安全性を確保するために事務局長が発表した「7つの原則」にも完全に遵守していない。

韓国政府は、ウクライナの原子力発電所の安全確保に向けたIAEA事務局長および職員の努力を高く評価している。また、ウクライナのザポリージャ周辺に原子力安全・セキュリティ保護エリアを設置するというIAEAの提案を全面的に支持する。

<ラトビア>

我々は、ウクライナへの不当な侵攻を行ったロシア連邦が引き起こした原子力安全およびセキュリティのリスクについて、最大限の懸念を表明する。ロシアの危険な行動は、原子力施設の管理権掌握や原子力施設およびその保障措置システム、その他のインフラを危険にさらし、さらには破損させ、その結果、原子力事故のリスクが高まり、地域社会と国際社会が危険にさらされるものである。

ラトビアは、ロシアの残忍な侵略が始まって以来、世界の原子力安全を維持するために、事務局長とIAEAの厳格な仕事ぶりを高く評価している。ウクライナの原子力施設の綿密な監視、保障措置の実施、ウクライナへのIAEA専門家ミッションの派遣のほか、必要な技術支援と援助の提供を行っている。IAEAは、深刻な原子力事故のリスクを低減するために多くの措置を講じている。

ラトビアは、ウクライナの原子力安全状況についてIAEAが提供する事実に基づく情報を重要視しており、誤った情報を減らし、国民の理解を深めることに努めている。ウクライナの原子力施設へのIAEAのアクセスは極めて重要である。IAEAのザポリージャへのミッションは有益だったが、状況が厳しいことを示した。IAEAが専門家を通じて常時監視体制を確保していることに感謝している。

<リトアニア>

我々は、ロシアの意図的で無謀な戦争に対して、可能な限り強い言葉で改めて非難する。このような平和な隣国への不当な侵略は、国際法に著しく違反し、世界のセキュリティを損ない、国連が築いた基盤さえも揺るがした。我々は、ロシアが即座に無条件で軍事行動を停止し、ウクライナの全領土からすべての軍隊を撤退させることを要求する。また、ロシアのウクライナに対する侵略を支持するベラルーシを非難する。

現在、ロシアの軍事行動は、また新たな―原子力―災害を引き起こそうとしている。紛争の初期に事務局長が示した原子力安全およびセキュリティの7つの不可欠な原則は、ザポリージャ原子力発電所をはじめとするロシア軍による原子力施設において、すべて侵害されている。ザポリージャ原子力発電所がロシア軍に占領され、ロシア軍の装備やロスアトムの職員が現場にいることは、発電所の安全性を損ない、原子力災害のリスクを高め、運転スタッフに多大なプレッシャーを与えている。ウクライナの原子力施設を砲撃、占領し、あるいはシェルターとして使用することは前代未聞であり、適切な対応が必要である。

ザポリージャ原子力発電所へのIAEAミッションを歓迎し、同発電所におけるIAEAの長期的な駐在体制確立に向けた努力を支持する。リトアニアは、ザポリージャ原子力発電所周辺に原子力安全/セキュリティ保護エリアを緊急に設置するとの事務局長の勧告を全面的に支持する。しかし、最近の南ウクライナ原子力発電所への砲撃は、ザポリージャ原子力発電所だけを守れば十分というわけではなく、ウクライナ全領土からすべてのロシア軍と軍事装備を無条件に撤退させることによってのみ、原子力の安全性が確保されることを示している。

侵略者は、責任を負わなければならない。ロシアがIAEA憲章を含む国際法規に残忍なまでに違反したことに全く弁解の余地はない。したがって、ロシアがIAEAとその機関において特権的な役割を行使し続けることは全く容認できない。

ロシアによるウクライナの民生用原子力施設に対する攻撃は、平和目的の原子力施設に対する武力攻撃に対処する既存の国際的な仕組が不十分であることを示すものである。平和目的の原子力施設を戦争下で保護するための既存の国際的なメカニズムを改善し、ルールの執行と説明責任の厳格なメカニズムを伴うようにすることが重要である。

<マレーシア>

ウクライナ紛争がもたらす政治面、セキュリティ面、経済面における深刻な影響は、マレーシアを含む世界中に影響を及ぼしている。ザポリージャ原子力発電所の問題は、その安全性とセキュリティを確保し、核物質が保障措置の下にあることを保証するために、IAEAによる早急な対応が求められている。

<マルタ>

ロシアのウクライナに対する謂れのない不当な侵略戦争は、ヨーロッパに戦争を呼び戻しただけでなく、国際法と国連憲章の原則に著しく違反し、世界のセキュリティと安定を著しく損なうものである。

ロシアの戦争はまた、何百万人もの人々に壊滅的な影響を与える可能性のある原子力事象の脅威を迫るものである。また、その結果、大量破壊兵器の使用に関する無意味な脅しや恐喝がなされている。これらの脅威は止めなければならない。ロシアが全責任を負う。この違法な侵略戦争は手遅れになる前に終わらせなければならない。

マルタは、ウクライナのザポリージャへの支援・調査ミッション(ISAMZ)、および原子力発電所への継続的な駐在は、世界の原子力安全とセキュリティにおけるIAEAの中心的役割を再確認するものであると考えている。

ウクライナにおけるロシアの戦争の結果、ザポリージャと南ウクライナ両原子力発電所の近くでの軍事行動と砲撃は、原子力安全とセキュリティに深刻なリスクがあることを浮き彫りにし続けている。その結果、大規模な原子力事象が発生し、多くの人々の生命と暮らしに深刻な影響を与える可能性がある。

したがって、我々は、IAEA事務局長のイニシアチブによるザポリージャ周辺の保護エリアの設定を歓迎し、IAEAによる継続的な監視に信頼を寄せている。また同地域のすべての施設の安全性とセキュリティを確保するため、利用可能なすべてのIAEA手段の活用を奨励する。

同時に、我々は、唯一の永続的な解決策は、ロシア連邦がウクライナにおける違法な侵略戦争を停止し、軍隊を撤退させ、国際的に認められた国境内におけるウクライナの領土保全、主権、独立を完全に尊重することであると信じている。

<モンテネグロ>

ロシア連邦のウクライナに対する不当な侵略行為により、世界のセキュリティ体制が大きく損なわれているなか、公平で独立した客観的な存在であるIAEAの役割と重要性はより一層高まっている。

ザポリージャ原子力発電所の状況は、我々にとって大きな懸念である。我々は、ロシアに対し、3月と9月の理事会決議を遅滞なく履行し、ザポリージャ原子力発電所でのすべての行動を直ちに停止するよう求める。モンテネグロは、ウクライナの原子力安全とセキュリティの確保を支援するIAEAの活動を全面的に支持する。モンテネグロは、ウクライナの原子力安全およびセキュリティの確保、ならびにウクライナの国際的に認められた国境内のすべての原子力施設におけるすべての核物質および活動に対するIAEA保障措置維持のためのIAEA支援活動を全面的に支持する。我々は、ザポリージャへの支援・調査ミッション(ISAMZ)および原子力発電所周辺に原子力安全/セキュリティ保護エリアを設定する事務局長のイニシアチブを支持する。

<オランダ>

この数か月、誰もの心に一つの名前がずっとある。

ザポリージャ。

ウクライナにあるこの原子力発電所の事象は、作業員や周辺住民に大きな危険をもたらし続けている。

グロッシー事務局長、私はあなたとあなたのチームが、我々と同様に彼らの安全を守るための勇敢さとその決断を称賛したい。

<ポーランド>

今回は通常の総会ではない。私たちがここに座って議論している時、ウクライナのザポリージャにはヨーロッパ最大の6基の原子炉を有する原子力発電所があり、そこをロシア軍とロスアトム関係者が占拠している。彼らはウクライナに侵攻し、発電所にも侵攻した。事務局長とそのスタッフが現地を訪問した。間違いなく、ミッションの報告書によると、ロシアが侵攻している間、そして今なお原子力安全およびセキュリティの7つの不可欠な原則すべてが、深刻な侵害を受けている。ロシアの砲兵隊がザポリージャの施設を砲撃している。

チョルノービリの原子力分析研究所が略奪された。南ウクライナ原子力発電所も重大な危険に晒されている。ザポリージャのウクライナ人スタッフがテロに遭っている。発電所とすべての原子力施設は、完全かつ速やかに非武装化され、解放されなければならない。つまり、ウクライナの原子力発電所には、ロシア軍もロスアトム関係者もロシア国民もいないということである。ザポリージャの発電所を完全に稼働させ、ウクライナのシステムに100%接続しなければならない。ウクライナからエネルギーを引き出そうとするロシアの企みは、強く非難されなければならない。IAEAは強力な組織である。私たち一人ひとりの力よりも、私たちが力を合わせれば、より強くなる。

ロシアにウクライナのすべての原子力発電所から直ちに撤退させよう。もし彼らが法律に従わないなら、彼らのIAEA資格を停止させよう。この措置がうまくいかない場合は、この著名な組織から追い出そう。

<ルーマニア>

我々は、国連憲章を含む国際法の重大な違反であるロシア連邦のウクライナに対する計画的かつ謂れのない軍事侵略によって、前例のない危機が混在する時代を迎えている。3月と9月に採択された理事会決議で強調されたように、ロシアの行動は容認できず、ウクライナの原子力施設の安全性とセキュリティに深刻かつ直接的な脅威を与えている。

これまで何度も述べてきたように、我々はロシアに対し、その違法な戦争と占領を止め、直ちに、そして無条件に、国際的に認められた国境内からすべての軍と軍事装備を即時かつ無条件に撤退させ、ザポリージャ原子力発電所の管理をウクライナ当局に直ちに引き渡すことを繰り返し要求する。

ルーマニアは、ロシア連邦によるウクライナの主権と領土の一体性を損なおうとするいかなる試みも強く非難する。これには、ウクライナの領土で違法な「国民投票」を行うことも含まれる。私たちは、いかなる不法な団体も、ウクライナ領土の併合も認めない。

この軍事的侵略は、エネルギー危機、気候変動や食糧不安による課題とオーバーラップしている。これらの問題に対して、IAEAは重要な役割を担っている。

<サンマリノ>

ウクライナの原子力発電所の深刻で脆弱な状況は、今日の最大の懸念材料である。

サンマリノは、ロシア連邦のウクライナに対する侵略を非難する。国家の主権と領土の一体性の尊重は、国際法に明記されている基本原則である。

対話と外交努力により、一日も早く平和が取り戻されることを願っている。

<スロベニア>

まず、ロシアのウクライナ戦争について触れておかなければならないが、この戦争は世界の原子力安全・セキュリティに大きな影響を及ぼしている。スロベニアは、ウクライナに対する謂れのない不当な軍事攻撃を、可能な限り強い言葉で非難する。また理事会は、この点に関して断固とした行動を取っている。

ロシアには、理事会の要求を無視することをやめるよう促したい。原子力安全とセキュリティに欠かすことのできない7つの原則は、完全に尊重されなければならない。

この機会に、ウクライナの原子力安全、セキュリティ、保障措置に関する差し迫った状況に対応するべく、事務局長とそのチームの献身、プロフェッショナリズム、公平性を称賛する。

欧州最大の原子力発電所であるザポリージャ原子力発電所のロシアによる占領は、依然として大きなリスク要因である。ザポリージャにおけるロシア人の存在と活動は、受け入れ難い原子力安全上のリスクを生み出している。我々はロシアに対し、ザポリージャ原子力発電所から全ロシア人職員を直ちに撤退させるよう要請する。

ザポリージャの状況は、NPT再検討会議でのコンセンサスの欠如に反映された。具体的には、激しい交渉にもかかわらず、成果文書に関するコンセンサスを得ることができなかったことを深く遺憾に思う。とりわけ、ロシアがザポリージャの状況を問題視せず、適切な文言の採択を阻止した事実を遺憾に思う。

<タイ>

ウクライナ情勢について、タイは、平和目的で設置、運用されているすべての原子力施設の安全性とセキュリティを維持することの重要性を強調したい。タイは、事務局長とIAEAが、ウクライナの原子力施設における安全とセキュリティの原則を確保するための使命を遂行することを支持する。ウクライナの原子力施設における安全性とセキュリティの原則が維持され、関連する保障措置の義務がすべての関係者によって完全に履行されるよう、事務局長とIAEAの任務の遂行を支持する。

<UAE>

ウクライナの原子力施設とその周辺の状況を引き続き懸念している。ウクライナの原子力施設において報告されている暴力行為は、これらの施設の安全性とセキュリティ、その職員、何百万人もの市民、そして環境に深刻な脅威を与えている。国際社会は、原子力災害を回避するためにあらゆる努力を払わなければならない。原子力発電所と関連施設が標的とならず、紛争から守られ続けるようにしなければならない。我々は、最近のザポリージャ原子力発電所へのIAEA支援・援助ミッションなど、この目的に対するIAEA事務局長による取組を歓迎する。

<英国>

英国は、ロシア連邦によるウクライナへの不法な侵攻と、ザポリージャ原子力発電所を含む原子力施設に対する無謀な行動を徹底的に非難し続ける。ロシアの邪悪な行動は、何百万人もの人々の安全を脅かし、原子力技術の利用を損なうものである。英国は、ザポリージャ原子力発電所を含むウクライナの原子力施設の安全性とセキュリティを確保するためのIAEAの活動を支持する。しかし、ウクライナの原子力安全の問題を解決する唯一の方法は、ロシア連邦が謂れのない侵略をやめ、ウクライナの原子力施設と国際的に認められた国境からすべての軍隊と人員を無条件に撤退させることにあることは明白である。

最近のNPT再検討会議では、ロシアが単独で合意を阻んだが、英国は、NPTの下で我々の公約を前進させるために、その一翼を果たす。これには「平和利用に関する持続的対話」が含まれ、他の30のパートナーとともに、医療、環境、エネルギーへの応用を通じて、より多くの国が原子力技術の恩恵を受けられるよう、原子力技術へのアクセスを継続的に拡大することを目的としている。

<米国>

国際社会による数週間にわたる誠実な交渉後、ロシアはNPTの最終文書の合意を妨げた。ロシアによるウクライナの原子力施設の掌握は、原子力エネルギーの平和利用に対するモスクワのコミットメントに疑問を投げかけ、原子力エネルギー供給国としての信頼性を損なうものである。そしてクレムリンは繰り返し欧州に対してあからさまな核の脅威を与えている。

バイデン政権は、グロッシー事務局長の原子力安全およびセキュリティの7つの不可欠な原則への支持を再確認している。また、ロシアに対し、ウクライナから直ちに軍を撤退させ、ウクライナの原子力施設およびその周辺での軍事活動を停止するようロシアに要求する。私は、ザポリージヤ原子力発電所の運転員たちのプロフェッショナリズムと献身、そして困難な状況下でもプラントの安全性を確保するために尽力していることに感謝する。

以上

お問い合わせ先:情報・コミュニケーション部 TEL:03-6256-9312(直通)