ウクライナの原子力発電所の状況 #39


ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 120号(現地時間20221018日)[仮訳]

国際原子力機関(IAEA)のラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長は本日、ウクライナのザポリージャ原子力発電所(ZNPP)で、ここ10日間で3度目の切断となった750kV送電線への接続が回復したと発表した。

ZNPPに駐在するIAEAの専門家は、ウクライナのシニア運転スタッフから、電圧が極端に低下した場合に自動的に作動する補助電圧保護システムによる送電線の切断から約18時間後に接続が再開された、と報告を受けた。

度重なる停電は、ウクライナでの軍事衝突の最中に、欧州最大の原子力発電所であるZNPPにおいて、原子力安全とセキュリティがいかに不安定な状態が続いているかを示している。また、ここ数か月間、ZNPPやその付近で頻繁に砲撃が行われていることから、周辺に原子力安全/セキュリティ保護エリアを設定する必要性を浮き彫りにしている。

10月8日と12日の2度にわたる外部電源喪失の際、ZNPPは非常用ディーゼル発電機によって原子炉冷却やその他の安全機能に必要な電力を供給した。しかし、昨日は、先週末に復旧したバックアップシステムを通じて電力を供給するオフサイトの330kVの送電線から、ZNPPは電力供給を受けていた。 今回の750kVの送電線との再接続により、ZNPPは両方の電力を利用できるようになったが、電力状況は依然として脆弱な状態である、とグロッシー事務局長は語った。

ZNPP周辺では夜から本日にかけて砲撃はなかったが、IAEAの専門家は日中に4回の地雷爆発を確認した。また、ウクライナのインフラに対するロシア軍の集中的な砲撃により、近くの火力発電所の開閉所への330kVの第二バックアップ外部送電線の復旧作業が遅れているが、修理作業は本日行われる見込みである、と報告を受けた。

また、IAEAの専門家は、先週初めに拘束されたZNPP副所長のバレリー・マルティニュク氏が釈放されたことを確認した。今月初めに拘束された原子力発電所のイホル・ムラショフ所長については、事務局長が関係当局と連絡を取り、釈放に向けた働きかけを行ってきた。

しかし、グロッシー事務局長は、IAEAが確認した他の2人のZNPPスタッフの拘束について、深い懸念を表明。「本件も懸念すべき事態であり、早急に解決されることを心から願っている」と述べた。

グロッシー事務局長は、ZNPPの原子力安全/セキュリティ保護エリアの設定について協議を続けており、できるだけ早くこれに合意することが急務であると述べた。https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-120-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine



※日本原子力産業協会は、ウクライナの原子力発電所及び都市名等の名称については、ウクライナ語および表記・発音に基づく以下の表記を使用します。
 フメルニツキー、リウネ、南ウクライナ、ザポリージャ、チョルノービリ(チェルノブイリ)、
 キーウ(キエフ)、ハリキウ(ハリコフ)

※ロシア軍によるチョルノービリ原子力発電所の占拠期間:2022年2月24日~2022年3月31日

 ロシア軍によるザポリージャ原子力発電所の占拠期間:2022年3月4日~

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