ウクライナの原子力発電所の状況 (第6週報:4月1日~4月7日)(現地時間) #6

※日本原子力産業協会は、ウクライナの原子力発電所及び都市名等の名称については、ウクライナ語表記・発音に基づく以下の表記を使用します。
フメルニツキー、リウネ、南ウクライナ、ザポリージャ、チョルノービリ(チェルノブイリ)、
キーウ(キエフ)、ハリキウ(ハリコフ)

【ウクライナの原子力関係機関】
国家原子力規制検査局(SNRIU): https://snriu.gov.ua/en/timeline?&type=posts
国営原子力発電会社・エネルゴアトム(Energoatom):https://www.energoatom.com.ua/en/


ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 45 20224719:08CET(一部仮訳)

IAEAのラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長は、チョルノービリ原子力発電所近くの汚染地域にロシア軍が作った塹壕を映したとされる最近のドローン映像を把握しており、放射線状況の評価と必要に応じてその他の安全支援を行うために、可能な限り早く現地を訪れる準備ができていると述べた。

IAEAは先週、1986年の事故後に設定されたチョルノービリ立ち入り禁止区域にいたロシア軍が高線量の放射線を受けたという報告をまだ確認できていない。ロシアは2月24日にこの地域を支配し、先週木曜日に撤退するまでの5週間、同地域を占領した。ウクライナはIAEAに対し、同原子力発電所の管理を再開するためのプロセスを開始したと述べた。

ウクライナ当局は今週、ロシア軍が立ち入った際に立ち入り禁止区域に掘った塹壕を撮影した映像を公開しました。IAEAはこの映像を確認しましたが、独立した放射線評価を行うには、IAEAの専門家が現地に行かなければならない。

グロッシー事務局長は、IAEAは原子力安全の専門家を緊急に現地に派遣し、チョルノービリ原子力発電所の状況を独自に評価するとともに、紛争開始時に中断されたオンラインモニタリングを再開する必要があると述べた。IAEAは、さまざまな放射性廃棄物管理施設がある同発電所に、安全関連の機器や部品を提供する用意がある。

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-45-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine


ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 44 20224620:10CET(一部仮訳)

ウクライナは、フメルニツキー原子力発電所の2基のうち1基が定期的なメンテナンス後、送電網に再接続されたと発表した。

この結果、ウクライナの原子炉15基のうち、ザポリージャ(ロシアの管理下)の2基、リウネの3基、南ウクライナの2基、そして今回のフメルニツキーの1基を含む8基が現在稼働していることになる。他の7基の原子炉は定期保守のため停止しているか、待機中である。

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-44-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine


◆ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 第43号 2022年4月5日18:04CET(一部仮訳)

ラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長は、本日付のウクライナからの報告のなかで、チョルノービリ原子力発電所で規制管理再開に向けたプロセスが始まったとの連絡を受けたことを明らかにした。

ウクライナはまた、チョールノービリで働く運転要員の次の交代は、治安状況が許す場合にのみ可能であると報告した。発電所の多くの職員は、1986年の事故後に設定された30㎞立入禁止区域外のスラブチッチ市に住んでいる。

また国家立入禁止区域管理局の代表者は現在、同区域におり、チョルノービリ・サイト外の貯蔵施設やその他施設の確認を行っているという。

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-43-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine


◆ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 第42号 2022年4月4日(一部仮訳)

ラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長は、本日付のウクライナからの報告によると、ロシア軍によるザポリジャー原子力発電所の占拠から1か月、同発電所で働くスタッフの「モラルと士気は非常に低い」状態であることを明らかにした。

グロッシー事務局長は、紛争中のウクライナの原子力施設、とりわけザポリージャ、およびロシア軍が5週間にわたり占拠し、先週木曜日に撤退したチョルノービリ・サイトを運営する職員の極めてストレスの多いかつ厳しい労働状況について深い懸念を繰り返し表明している。

この前例のない発電所の職員が置かれている状況は、原子力安全とセキュリティに不可欠な7つの柱のうちの1つである「運転員は原子力安全・セキュリティ上の義務を果たし、不当な圧力から解放された意思決定ができる能力を有していること」を著しく損なうものである。

ウクライナが昨夕IAEAに報告したところによると、北東部のハリキウで 原子力施設の近くで先月末に発見された不発弾を精査した結果、ロケット本体から爆発物の先端を取り除いたもので、危険はないことが判明した。この施設は、既に変圧器が損傷しているため、まだ電力が供給されておらず、またこの地域で砲撃があったことから、電力の復旧が困難であるという。同施設は、医療・産業用の研究開発と医療用RI製造に利用されていた。核物質は未臨界であり、放射性物質のインベントリも少ない。

ウクライナによると、チョルノービリ原子力発電所では、要員のセキュリティ評価を含む次回の職員交代に向けた準備が続けられているという。

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-42-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine


◆ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 第41号 2022年4月3日16:43CET(仮訳)

ラファエル・マリアーノ・グロッシー事務局長は、本日付のウクライナからの報告によると、チョルノービリ原子力発電所で2週間ずっと勤務している技術スタッフの交代に向けた準備を継続していると述べた。

ロシア軍は5週間にわたりチョルノービリを占拠した後、3日前に同サイトから撤退した。その間のスタッフ交代は、3月20~21日に1度のみであった。発電所の多くの職員は、1986年の事故後に設定された30㎞立入禁止区域外のスラブチッチ市に住んでいる。ウクライナによると、次の交代に向けた準備作業には、スタッフのセキュリティの評価が含まれているという。

ウクライナによると、ウクライナの運転中の原子力発電所のうち、ザポリージャ(ロシアの管理下)の2基、リウネの3基、南ウクライナの2基など、計7基が運転中である。その他の原子炉は、フメルニツキーの2基を含め、定期的なメンテナンスのため停止中、あるいは待機中である。

保障措置に関しては、従前に報告されたものと状況は変わっていない。チョルノービリ原子力発電所に設置されたモニタリングシステムからのリモートデータは受信できていないが、ウクライナの他の原子力発電所からはデータはIAEA本部に届いている。

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-41-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine


◆ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 第40号 2022年4月2日19:23CET(一部仮訳)

ラファエル・マニア―ノ・グロッシー事務局長は、本日付のウクライナからの報告によると、ロシア軍撤退後、チョルノービリ原子力発電所の規制管理を再開できるか“可能性を分析中”であることを明らかにした

またウクライナは、チョルノービリ原子力発電所スタッフの交代について、セキュリティの評価を含め、準備を進めていると述べたが、その交代時期はまだ決まっていない。同サイトでは、3月20~21日にかけて技術要員の交代が行われたが、これは2月下旬以来の勤務シフトの変更であった。

ウクライナによる木曜日のIAEA報告によると、ロシア軍は、チョルノービリ原子力発電所を5週間にわたり占拠した後、同発電所から撤退。ロシア軍の撤退については、金曜朝にロシアのカリーニングラードで行なわれたグロッシー事務局とロシア高官との会談の場で確認された。後のウクライナの報告によれば、ロシア軍は発電所サイトから完全撤退した一方、発電所周辺の立入禁止区域における状況は不明であるという。多くの発電所スタッフは、1986年の事故後に設定された30㎞立入禁止区域外のスラブチッチ市に住んでいる。

ロシア軍は2月24日、放射性廃棄物管理施設が立地するチョルノービリ原子力発電所を占拠し、3月4日にはウクライナに4か所ある原子力発電所のうち、南部のザポリージャ原子力発電所も征圧した。

グロッシー事務局長は、チョルノービリにIAEAの援助・支援ミッションを早急に派遣する意向であり、これはウクライナへの一連の原子力安全とセキュリティに関するミッションの初めてのものとなる。ウクライナには、チョルノービリ発電所に加え、4つのサイトに原子炉15基がある。IAEAの専門家は、サイト内外で技術評価とアドバイスを実施するほか、また必要に応じて安全機器を提供する予定である。

ウクライナによると、ウクライナの運転中の原子力発電所のうち、ザポリージャ(ロシアの管理下)の2基、リウネの3基、南ウクライナの2基など、計7基が運転中である。その他の原子炉は、定期的なメンテナンスのため停止中である(フメルニツキーの2基を含む)。

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-40-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine


◆ウクライナの状況に関するIAEA事務局長声明 第39号 2022年4月1日19:17CET(一部仮訳)

ラファエル・マリアーノ・グロッシーIAEA事務局長は本日、カリーニングラードでアレクセイ・リハチョフ・ロスアトム総裁やその他ロシア高官と面談後、IAEAウィーン本部に戻り記者会見を開いた。これは、今週初めに南ウクライナ原子力発電所でウクライナ政府高官と、ウクライナの原子力安全とセキュリティのための緊急技術支援を実現するために必要な具体的ステップについて詳細に話し合ったことを受けたものである。

ウクライナがIAEAに報告したところによると、ロシア軍はチョルノービリ原子力発電所から完全撤退し、このことは本日のカリーニングラードでの会合でロシア高官によって確認されている。ウクライナから、3月20~21日以降の同発電所のスタッフ交代に関する報告はなかった。

グロッシー事務局長は、チョルノービリ原子力発電所にIAEAの援助・支援ミッションを早急に派遣する意向である。これは、ウクライナへの一連の原子力安全とセキュリティに関するミッションの初めてのものとなる。

IAEAは、チョルノービリ立入禁止区域でロシア軍が高線量の放射線を浴びたという報告をまだ確認できていない。

ウクライナによると、ウクライナの4サイトで運転中の原子力発電所15基のうち、ザポリージャ(ロシアの管理下)の2基、リウネの3基、フメルニツキーの1基、南ウクライナの2基など、計8基が運転中である。その他の原子炉は、定期的なメンテナンスのため停止中である(最近停止したリウネ2号機を含む)。

https://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/update-39-iaea-director-general-statement-on-situation-in-ukraine

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