Technology Brief-Nuclear Power(原子力発電の技術概要書)概要紹介をとりまとめました

2021年9月14日

国連経済社会理事会の欧州経済委員会(UNECE)は2021年8月11日、気候変動の緩和や低炭素技術の開発加速の一助となるべくとりまとめている技術概要書のシリーズで原子力発電を取り上げ、そのなかで「原子力が除外されれば、世界の気候目標は達成されない」とし、原子力発電は気候目標達成に貢献する重要な低炭素電力・熱供給源であると結論付けました。

現在、UNECE地域の原子力発電は総発電電力量の20%、低炭素電源の43%を占めていますが、未だ電力の半分以上を化石燃料に頼っていることから、世界のエネルギーシステムを急速に変革するための時間はなくなりつつあるとしています。

今回の技術概要書では、パリ協定と持続可能な開発のための2030アジェンダの実現に向け、世界のエネルギーシステムとエネルギー集約型産業の脱炭素化には、再生可能エネルギーとともに、原子力発電が幅広いポートフォリオの一つを構成すると指摘しています。既存炉に加え、小型モジュール炉(SMR)や先進型炉のような新技術が電力以外の用途(地域暖房や高温プロセス熱、水素製造)により新たな市場を開拓し、またSMRは小規模グリッドや遠隔地での電力供給を可能にするほか、変動性の再生可能エネルギー源との共存性を向上させるとしています。

概要紹介はこちらからご覧下さい。

※国連欧州経済委員会(UNECE)とは・・・国連経済社会理事会の下にある5つの地域委員会の1つで、設立年は1947年。元々は第2次世界大戦後、欧州の破壊からの復興・回復のために設置された。主な目的は、加盟国の経済における関係強化であり、情報交換や相互協力方法の立案などを実施。現在では欧州諸国だけでなく、北米や中央アジア、西アジア諸国も加盟している(加盟国:56カ国)。

以 上

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