仏原子力産業協会(GIFEN)訪問団との会談を実施

当協会は、6月23日(月)、来日中の仏原子力産業協会(GIFEN)オリヴィエ・バールCEO率いる訪問団一行と会談を実施しました。

本訪問団は、フランスの原子力産業関係者により構成されており、『カイゼン研修』を目的に来日したもので、会談では、日仏原子力産業界の現状や課題について意見交換が行われました。

フランスの原子力産業界では、原子力は特有であるとの認識が根強く、他の産業分野と比較してリーン手法(ムダの排除、継続的改善など)への取り組みが遅れているとされていましたが、近年では原子力も一つの産業であるとの認識のもと、安全性を最優先としながらも、パフォーマンスやコスト、納期、品質、効率性も重視し、他産業で用いられるリーン手法の積極的な導入が求められているとのことです。

その他、会談では当協会より日本の原子力発電の現況および当協会の主な活動について説明を行い、その後、フランス側と活発な意見交換が行われました。

フランス側から共有された主な情報は以下の通りです。

・政策の法制化
現在、原子力政策の方向性を法的に明文化するための法案がフランス議会で審議中であり、先週、産業界・政府・労働組合が一体となり、新たな協定文書(ヴィジョン共有のための「契約」)に署名した。

・既存施設の運用・新設計画
既存原子力施設の運転延長や新設計画が進行しており、フランス電力(EDF)と政府は新型EPR原子炉の初期3基(最大6基)に対する資金調達で合意に至った。今後は、この資金スキーム(国家支援、融資、規制が含まれる)について、EUに対し、国家補助規定との適合性についての審査を申請することになる。

・SMRプロジェクトの進捗
フランス国内では12社が小型モジュール炉(SMR)プロジェクトを推進しており、「中規模原子炉の代替」「熱供給用」「第4世代炉」の3つのカテゴリーに分類される。

・人材育成プログラムの強化
能力・人材育成プログラム「MATCHプログラム」を更新し、先週の業界大会にて20〜25の成果が共有された。今後8〜20年で原子力関連の業務量は25%増加が見込まれており、人材確保だけでなく、業務効率化や規制の簡素化も重要視されている。

・カイゼンの活用
産業全体の効率向上を目指し、カイゼンを中心とした取り組みが重要な役割を果たしている。

GIFENバールCEO(中央)
会談風景

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