第4回東アジア原子力フォーラム(2016.11.14~15)

 当協会は、11月14日・15日の両日、東京において、中国核能行業協会(CNEA)、韓国原子力産業会議(KAIF)、台湾核能級産業発展協会(TNA)などの参加を得て、「第4回東アジア原子力フォーラム」を開催しました。
 当協会は、中国、韓国、台湾の原産協会・原産会議や学会と協力覚書を結び、セミナー等の定期開催による情報交換・交流を中心に協力を行ってきましたが、東アジア地域における関係機関間での効果的な情報交換・交流実施の重要性の観点から、2013年に東京で第1回「東アジア原子力発電フォーラム」を開催。その後幅広い原子力分野について扱うことを念頭に、名称を「東アジア原子力フォーラム」と改称した上で、第2回会合を東京で、昨年は第3回会合を韓国原子力産業会議のホストにより韓国・ソウル市で開催しました。

会合風景

会合風景

 今回は、会合前日の14日に東アジア原子力フォーラム関係者による初めての東京電力福島第一原子力発電所の現場視察を実施し、会合開催の15日午前中には「福島第一訪問を終えて」と題したセッション1が行われました。このセッションでは、各国・地域における福島事故後の原子力をとりまく状況などの情報共有や視察後の印象などについて活発な意見交換が行われました。視察訪問した東アジア原子力関係者は、東京電力の現場関係者の努力とその改善状況、また懇切丁寧な説明に大変感銘を受け、今回の視察の機会を大変貴重な経験と捉えたうえで、各国メディアの報道について、正しい情報が発信されることの重要性を口々に述べていました。

 また、セッション2は、東アジア諸国・地域の共通テーマである「原子力安全向上対策について」と題し、日本からは、原子力安全推進協会(JANSI)により「自主的安全性向上に向けた取り組み」をテーマに発表がおこなわれ、韓国からは「原子力発電所における安全設備の再強化について」、また台湾からは「原子力発電所の安全強化対策」、そして、オブザーバー参加の中国原産(CNEA)からは、「安全向上に果たす中国原産の役割」と題した発表が行われました。各国・地域の原子力産業界が進めている独自の安全向上の取組みをめぐる発表と活発な質疑応答・意見交換が行われました。

 セッション3では、「各国・地域における原子力産業界の動向」と題し、各国・地域が直面する課題、関心の高いテーマ(原子力政策、原子力開発動向、廃止措置計画)を取り上げ、発表と意見交換が行われました。日本からは、日本原子力発電(株)より今年の3月に設立され、この12月には本格運用開始予定の「原子力緊急事態支援センター」の紹介を頂き、各参加国・地域より、今後の東アジアにおける協力・連携の観点から関心と期待が寄せられました。

集合写真

集合写真

 この「第4回東アジア原子力フォーラム」では、参加国・地域の出席者により、今後も東アジア地域において原子力安全の向上に向けた取り組みに関する情報共有、そしてこの地域での連携が行われていくことの重要性について共通の認識が持たれ、大変充実した会合となりました。また、「第5回東アジア原子力フォーラム」は日本以外での開催について検討が行われることになりました。

第4回東アジア原子力フォーラム・プログラム
第4回東アジア原子力フォーラム 参加者名簿

以 上

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)