KAP/INEX/PBNC 2026「AI時代を切り拓く原子力」への参加報告
当協会は、第41回韓国原子力産業協会年次大会(KAP2026)および国際原子力産業展示会(INEX2026)に参加しました。今大会は、環太平洋原子力会議(PBNC2026)との併催で、4月22日(水)から24日(金)までの3日間、韓国・釜山のBEXCO国際展示場で開催されました。
KAP2026は、4月22日(水)、23日(木)の2日間にわたり行われ、参加者数は約1,100名でした。大会テーマは「AI時代を切り拓く原子力」で、AIやデータセンターの拡大に伴う電力需要の増加を背景に、原子力の役割、SMR、長期運転、燃料サイクル等について議論が行われました。また、国際原子力産業展示会(INEX2026)では、3日間で延べ18,000名が来場しました。
【開会セレモニー・KAPセッション】
開会セレモニーでは、KAIF会長であり韓国水力原子力(KHNP)CEOのキム・フェチョン氏、韓国政府関係者、釜山広域市長らによる挨拶がありました。キム氏は、AIやデータセンターの拡大により急増する電力需要を支える現実的なエネルギーとして、原子力の重要性を強調しました。また、原子力産業の発展には、安全確保を前提とした国際協力、人材育成、サプライチェーン強化が不可欠であると述べました。
プレナリーセッションでは、新規原子力建設、原子力発電所の安全かつ長期的な運転、ASEAN諸国における原子力導入の可能性、SMRの商用化、燃料供給や使用済燃料管理を含む原子力のライフサイクル戦略など、幅広いテーマが取り上げられました。
新規建設に関するセッションでは、チェコ・ドゥコバニ原子力プロジェクト、中国におけるAI・デジタル技術を活用した建設管理、米国の使用済燃料管理・SMR事業などが紹介されました。長期運転のセッションでは、再生可能エネルギーの拡大に伴う電力系統の課題や、安定電源としての原子力の役割、既設炉の長期運転・出力向上などについて議論が行われました。
SMRに関するセッションでは、電力供給だけでなく、産業用熱供給、水素製造、データセンター向け電源などへの活用が期待される一方で、量産化、標準化、規制対応、サプライチェーン構築等が課題として挙げられました。ライフサイクル戦略に関するセッションでは、原子力の拡大には燃料供給、使用済燃料管理、廃棄物処分、廃止措置まで含めた長期的な取り組みが重要であることが示されました。


【国際原子力産業展示会(INEX2026)】
INEX2026には、国内外の原子力関連企業・機関あわせて20か国156社が出展し、3日間で延べ18,000名が来場しました。
主な出展企業・機関は、韓国水力原子力(KHNP)、Doosan Enerbility、韓国放射性廃棄物管理公団(KORAD)、フランスのFramatome、Orano、米国のWestinghouseなどです。会場には、中国とチェコの国パビリオンが設けられたほか、ワークショップ会場、商談スペース、海外バイヤー向けの商談スペースも設置されていました。
KAP/PBNC 2026のテーマが「AI時代を切り拓く原子力」であったこともあり、デジタル技術、VR、ロボットなどの展示が目立ちました。








【環太平洋原子力会議(PBNC2026)テクニカルセッション】
PBNCのテクニカルセッションは午前中に行われ、7部屋で計14セッションが並行開催されました。セッション分野は、AI、SMR、次世代型革新炉、安全規制など多岐にわたりました。
発表国としては韓国に加え、中国からの発表が目立ちました。中国からは大学、研究機関、原子力関連企業が参加し、AI活用、革新炉、原子力安全等に関する発表が多く行われていました。



【テクニカルツアー】
4月24日(金)は、国際参加者向けのテクニカルツアーとして、KHNPセウル原子力発電所、KAERIムンム研究所および韓国放射性廃棄物管理公団(KORAD)放射性廃棄物処分場、Doosan Enerbility工場の3コースが設定されており、当協会はDoosan Enerbilityの昌原工場を視察しました。
Doosan Enerbilityは、原子力、ガスタービン、洋上風力、水素エネルギー等の分野に取り組むエネルギーソリューション企業です。原子力分野では、原子炉や蒸気発生器の材料製造から完成品までを一貫して担う能力を有し、韓国国内の原子力発電所向けに主要機器を供給してきました。
事業概要説明を受けた後、鍛造工場、原子力工場、タービン工場を見学しました。
鍛造工場では、材料を高温に加熱し、プレス加工を繰り返しながら大型部材を成形する工程を見学しました。同工場では、APR1400向け蒸気発生器など、大型原子力機器に必要な部材を製造しています。
原子力工場では、NuScale型SMRの構造や、Doosan EnerbilityのSMR製造体制について説明を受けました。SMRは小型である一方、主要機能を限られたモジュール内に収める必要があるため、高度な設計・製造技術が求められます。今後のSMR需要拡大を見込み、SMR専用工場の建設も進めています。
タービン工場では、蒸気タービンやガスタービンの製造・保守について説明を受けました。ガスタービンは、比較的短時間で発電できることから、AIデータセンターの拡大に伴う電力需要増への対応電源としても注目されており、将来的には水素タービンへの移行も想定しているとのことでした。
今回のPBNC/KAP/INEX2026への参加を通じ、AI時代における原子力の役割や、SMRを含む次世代原子力技術、韓国原子力産業界の国際展開に向けた取り組みについて理解を深めることができました。また、INEX2026やテクニカルツアーを通じ、韓国原子力産業の製造基盤や、海外企業とのビジネス交流を重視する姿勢を確認する機会となりました。
以 上
お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)