韓国廃止措置調査団来日プログラムへの協力 (2026.6.10~12)
当協会は韓国との協力活動の一環として、6月10日(水)~12日(金)の期間にわたり、韓国原子力産業協会(以下、KAIF)が率いる韓国廃止措置調査団による、電力中央研究所我孫子地区、日本原子力発電株式会社東海発電所・東海第二発電所、JAEA楢葉遠隔技術開発センター(NARREC)、東京電力福島第一原子力発電所および廃炉資料館への訪問実施に協力しました。
今回のプログラムには、韓国の原子力発電事業者、メーカー、研究・技術関係者などが参加し、日本における廃止措置、遠隔技術開発、原子力安全に関する研究、安全対策、福島第一原子力発電所の廃炉状況等について知見を深めました。
6月10日(水)は、施設視察に先立ち、東京都内で日本の原子力事情に関するレクチャーを実施しました。関村直人東京大学名誉教授より第7次エネルギー基本計画と原子力発電の現状、長期運転・次世代炉導入の動向について、岡本孝司東京大学名誉教授より福島第一事故の教訓を踏まえた廃炉推進と原子力安全向上について説明がありました。また、当協会人材育成部の大屋雅巳部長より、東京電力HDにおける人材育成の取組について紹介しました。
同日午後には、電力中央研究所我孫子地区を訪問し、電中研の研究概要について説明を受けた後、耐震実験設備および津波・氾濫流水路を見学しました。参加者は、地震・津波等の自然外部事象に対する原子力施設の安全性評価や、実験データを活用した解析技術の高度化について理解を深めました。耐震実験設備や津波を再現する大型水路に対し、韓国側参加者からは試験条件や設備利用の可能性などについて多くの質問が寄せられました。


6月11日(木)午前は、日本原子力発電株式会社東海発電所・東海第二発電所を訪問しました。東海発電所では、日本初の商業用原子炉として営業運転を開始した同発電所の廃止措置状況について説明を受け、熱交換器の解体や中央制御室等を見学しました。東海第二発電所では、常設代替高圧電源装置置場や防潮堤等の安全性向上対策工事、東海発電所のL3廃棄物埋設予定地も見学しました。
同日午後には、JAEA楢葉遠隔技術開発センター(NARREC)を訪問しました。NARRECは福島第一原子力発電所の廃止措置および福島の環境回復に貢献する遠隔技術開発の拠点であり、参加者は実規模試験棟やVR設備を見学しました。試験棟では、水中ロボット試験設備、階段試験設備、モーションキャプチャ設備のほか、2号機格納容器内部調査および燃料デブリ回収に向けたロボットアームの試験について説明を受けました。VR設備では、事故後の原子炉建屋内を仮想的に再現したシステムを通じ、被ばくを伴わずに事前検討や訓練を行うための技術を体験しました。


6月12日(金)は、東京電力福島第一原子力発電所および廃炉資料館を訪問しました。廃炉資料館では、福島第一・第二原子力発電所の概要、事故当時の対応、廃炉作業の現状と今後の課題について説明を受けました。その後、福島第一原子力発電所構内を視察し、1~4号機を望むブルーデッキ、ALPS処理水の希釈放出設備や防潮堤等を俯瞰するグリーンデッキ、ALPS処理水サンプル等を確認しました。質疑応答では、ALPS処理水の海洋放出や廃棄物の保管・処分等について、韓国側参加者との間で活発な意見交換が行われました。

(出典:東京電力ホールディングス株式会社)

今回の各視察先では、参加者が日本における廃止措置、原子力安全研究、遠隔技術開発、福島第一原子力発電所の廃炉に関する取組を現地で確認し、理解を深める機会となりました。当協会では、今後もこうした視察・交流を通じ、海外の原子力関係者に日本の原子力利用、安全対策、廃止措置に関する取組を正確に理解していただけるよう、情報発信および国際協力を進めてまいります。
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