世界原子力協会(WNA)年次シンポジウムへの参加報告

当協会は英国ロンドンに本拠地をおく世界原子力協会(WNA)と長年にわたり、人的交流や情報交換を行っています。

本年9月4日~6日に開催された同協会年次シンポジウム(WNA Annual Symposium)には、当協会から植竹明人常務理事が参加しました。同シンポジウムは民間主催の原子力関係国際会議としては最も国際色豊かなものの一つであり、今回は世界40か国から約560名が参加しました。

今般、A.リーシングWNA事務局長の要請を受け、植竹常務理事が初日のオープニングセッション・ハイレベルスピーチにおいて「Current Status of Nuclear Power in Japan」と題し、日本の原子力をめぐる状況に関する講演を行いました。

講演では、福島第一原子力発電所事故のその後、日本のエネルギー・原子力政策や電力事情、再稼働をめぐる状況、新増設に向けての課題、および世論の状況等について紹介しました。質疑では、BWR4社連合への期待と課題についても説明しました。

同シンポジウムにおいて、日本の全体概況を紹介するのは福島第一事故後初めてであり、聴衆の関心が高かった。講演に対する聴衆からの発言を総合すると、福島事故後の現場およびその周辺の状況は思っていたほど悲観しなくてもよさそうだとの反応があった一方、再稼働や新増設をめぐる状況は、思っていたほど楽観できないとの反応が見られました。

今回の参加を通して、①日本の原子力をめぐる最新の実情を世界の原子力関係者に発信できたこと、②当協会のプレゼンスをアピールできたこと、③多くの関係者とネットワーキングできたこと、の3点において大変有意義でした。

なお、WNAは旧ウラン協会(Uranium Institute)を母体としているため、原子力関係国際会議の中では相対的に原子燃料関係者の参加が多かった。したがって、そのプログラム構成も従前は原子燃料市場に関連するものが多かったですが、最近はロシアや中韓といった新増設に勢いのある関係者のプレゼンスが大きくなった影響から、プラント関連、安全規制、ファイナンス、人材育成、PA事項など非常に幅広いテーマを扱うようになってきています。その影響で、登壇者の数も38名を数えました。

植竹常務がオープニングセッションで日本の状況について講演

シンポジウム会場の様子

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)