WNE2025(世界原子力展示会)日本パビリオン出展

当協会は経済産業省と共に、2025年11月4日(火)~2025年11月6日(木)、フランス・パリのノール・ヴィルパント展示場で開催されたWNE2025(World Nuclear Exhibition:世界原子力展示会)にて、日本パビリオンを形成しました。

参考:NSCPウェブサイトでの報告

WNEは、仏原子力産業協会(GIFEN)が主催する展示会で、2014年に第1回が開催され、以降コロナ禍を除き隔年で開催されており、6回目の開催となる今回、初めて日本パビリオンの出展が実現しました。今回のテーマは“NUCLEAR TODAY AND TOMORROW  BEYOND ELECTRICITY”であり、世界中の原子力関係者が交流する中で、原子力の現在と未来、そして電力以外への応用可能性を幅広く紹介し、技術・産業・投資の最新動向を共有しました。

日本パビリオンには当協会のほか、東芝ESS、日本製鉄、IHI、日本ギア工業、TVE、ムロオシステムズ、イノウエ、原子力国際協力センター(JICC)が共同出展しました。来訪者は、日本関係者や海外関係者のほか、日本に関心を持つ海外企業や団体など、多岐にわたりました。

当協会は、会員企業を海外向けに紹介するウェブサイト「Nuclear Industrial Directory of Japan 」を通じ、日本のサプライチェーンや会員企業・組織の紹介を行いました。さらに、日本パビリオン以外でも、以下のように各所で日本企業の活躍が見られました。

・GE Vernova Hitachiブースでの日立GEベルノバの協力

・三菱重工業、千代田テクノル の単独出展

・フランスパビリオンでの富士電機出展

また、日本出展者や参加者向けには、仏パビリオンガイドツアー、カナダ・韓国・日本共同イベント、各国パビリオンやブース訪問、ワークショップなどを通じ、各国・各機関との交流を積極的に実施しました。

日本パビリオンには、以下の要人も来訪しました。

・IAEA Rafael Mariano Grossi 事務局長

・WANO 千種直樹 CEO

・JAEA 小口正範 理事長

・在仏日本大使館 下川眞樹太 大使

・WNA Sama Bilbao y León 事務局長

・FinNuclear Harri Varjonen 理事長

・EDF Chairman and CEO Bernard Fontana 氏

WNEでの出展企業は、EDFやOrano、Framatome等の業界主要企業を始め、出展者数は約1000社、来場者は3日間で25,000人以上に上り、フランスのみならず、世界各地のバイヤーやビジネスパートナー候補が会場に訪れました。国別パビリオンは、日本の他、フランス、米国、英国、韓国、中国、ドイツ、北欧、ベルギー、チェコ等、計24の国と地域がブース展示を行い、前回より数や広さも大きくなり、世界の原子力の盛り上がりを見せました。

オープニングセレモニーでは、WNE理事長のBermann氏、IAEA事務局長のGrossi氏とIEA事務局長のBirol氏、仏経済・財政・産業・エネルギー省のLescule大臣が出席しました。Grossi氏は、欧州や中東欧を中心に原子力導入・再開の動きが広がり、大手テック企業も信頼性の高さから原子力に注目していると述べました。Birol氏は、原子力発電量は過去最大で70GWが建設中であると示しつつも、真に原子力が復活するには建設の遅延・予算超過、限定的なウラン生産・濃縮能力、SMR規制整備の遅れという課題を克服する必要があると指摘しました。

当協会の増井理事長は、2つのメインステージイベントに登壇し、核燃料供給の安全保障と戦略的対応、および原子力プロジェクトの成功に不可欠な地域社会との対話や透明性確保について議論しました。

さらに、このWNEの機会に、当協会はGIFENと協力覚書(MOU)を締結したほか、11月10日からブラジルで開催されるCOP30に向け、世界の17の原子力産業団体が政策決定者に向けた共同声明※下記リンク挿入 に調印しました。   

参考:仏原子力産業協会(GIFEN)との協力覚書(MOU)の締結について

参考:WNE2025(世界原子力展示会)出展原子力産業団体による共同声明の発表について

7日(金)には、施設見学会を行いました。3グループに分かれ、EDFフラマンビル原子力発電所、オラノ社ラ・アーグ再処理工場、HEFAIS溶接学校のうち、それぞれ2か所を訪れる行程でした。

フラマンビル原子力発電所では、3号機である欧州加圧水型炉(EPR)の説明を受けたほか、構内の発電所の設備や取水口を見学し、発電所の運営や地域への影響、安全対策を確認しました。

ラ・アーグ再処理工場では、施設の規模や処理能力、安全対策、地域との関わりについて説明を受け、使用済み燃料の運搬やプールでの保管の様子を見学しました。

HEFAÏS溶接学校は、原子力・造船分野の企業が共同で設立した溶接技能者育成を目的とした教育施設で、校内を見学しながら研修内容や施設、教育体制、受講対象者等についての説明を受けました。

 なお、次回のWNEは2027年12月7~9日に開催される予定です。

日本パビリオン
三菱重工業ブース 
仏企業との交流
JAEA小口理事長/
IAEAグロッシ事務局長
中国パビリオン
米国パビリオン
チェコパビリオン
フラマンビル発電所
日本パビリオン
日立GEベルノバ SMR紹介
カナダ・韓国・日本共同イベント

増井メインステージ登壇
韓国パビリオン
韓国パビリオン
イタリアパビリオン
英国パビリオン
ラ・アーグ再処理工場
JAIFカウンター
フランスパビリオンツアー
カナダ・韓国・日本共同イベント

共同声明調印式
カナダパビリオン
北欧パビリオン
WNE会場外観
HEFAÏS溶接学校

お問い合わせ先:国際部 TEL:03-6256-9313(直通)