原子力国民会議、中央集会で早期再稼働を訴え
原子力発電の必要性を訴え全国各地で啓発活動を行う「原子力国民会議」が4日、東京商工会議所ホール(東京・丸の内)で中央集会を開催し、経済活性化と温暖化抑制に向け、①原子力発電の早期再稼働②適正な原子力発電比率の設定③電気料金の適正化――を求める経済産業大臣宛の要望書を採択した。
集会では、敦賀市長で全国原子力発電所所在市町村協議会会長の河瀬一治氏が来賓挨拶に立ち(=写真)、大阪万博に原子の灯を送り届けた頃から続く敦賀市と原子力発電との付き合いを振り返るなど、「原子力と共存共栄してきた自負」を述べる一方で、福島第一原子力発電所事故以降、「原発は非常に怖い」という国民感情が高まり、「立地地域が悪者のようにみられることさえある」などと地元としての思いを訴えかけた。
また、電力多消費産業として、特殊ガラスを製造する岡本硝子の岡本毅社長が登壇し、今後、電気料金がさらに値上げされた場合、コスト競争力を失い、同社が誇るデンタルミラーなどの世界シェアトップの座が揺るぐなどと憂いを述べた。さらに、常葉大学経営学部教授の山本隆三氏も講演の中で、1990年代以降の日本経済低迷の要因を、欧米と比較しながら説き、「安定的な電力供給がないと製造業の成長は望めない」として、原子力が稼働しないリスクを強調した。【後略】
(12月11日付号掲載)