TIARAのイオンビームで 花の新品種作出

2015年6月2日

真:JAEA新品種

  イオンビームで開発された新品種ⓒJAEA

 日本原子力研究開発機構は6月1日、高崎量子応用研究所のイオン照射研究施設(TIARA)で、イオンビームが誘発する突然変異を利用した植物などの有用品種「イオンビーム育種」を用いて民間の花の新品種開発の技術支援を行い、それぞれが販売に至ったことを発表した。
 海部苗木花き生産組合連合会(愛知県)は、アイビーゼラニウム品種「キャンディーローズ」を材料として、希少な完全八重咲きで早生かつ花弁にフリンジの入った新品種の作出に成功し、今春から本格的に販売を開始した。
 精興園(広島県)は、既存のキク品種「カルロスティエラ」を材料として、原品種に比べて濃色かつ夏場の高温期でも退色しにくい特性を持つ新品種を作出し、今春より試験販売を開始している。
 横浜植木(神奈川県)は、一般品種に比べ生育が旺盛で開花期間が長いサルビア品種「センセーション」のワイン色の原品種を材料として、ピンク色およびサーモン色の新花色を作出でき、2016年春からの販売開始を予定している。
 同事業は、文部科学省の「先端研究施設共用促進事業」等による「明日を創り、暮らしを守る量子ビーム利用支援事業」によるもので、地域や企業の特色ある農作物等のブランド力強化や高品質化を通じ、農業の振興を図っている。