岡山大、放射性セシウム移行抑制剤を開発

2015年6月2日

シュベルトマナイト

    中和シュベルトマナイト

 岡山大学の研究グループは5月21日、水質保全事業の副産物「中和シュベルトマナイト」を利用して放射性セシウム移行抑制剤を開発したと発表した。
 同研究グループは、土壌から農作物への放射性セシウム移行対策で塩化カリウムの施用がこれまで推奨されており、水質保全事業の副産物として県下に大量保有されている「中和シュベルトマナイト」の化学特性(水酸化鉄を含む硫酸塩)や、農業用資材として用いられていることに着目して、放射性セシウム移行抑制剤を開発した。2014年度から福島県の放射能汚染を受けた土壌で稲、さつまいも、白菜、かぶなどの栽培試験を行ったところ、放射性セシウムの移行が半減する効果が確認されたとしている。研究グループでは今後、様々な土壌での効果や、作物への放射能移行抑制に関する詳細なメカニズム解明などの研究を継続していく。