日立、米国病院より陽子線がん治療システム受注

2015年6月11日

 日立製作所は6月10日、陽子線がん治療システム「PROBEAT」を、米国メリーランド州のシブリー・メモリアル病院から受注するとともに、10年間にわたる運転・保守契約を締結したと発表した。北米での受注は5件目となる。シブリー・メモリアル病院は、世界トップクラスの医療機関とされているジョンズ・ホプキンス・メディスンの傘下にあり、今回の受注について、日立の東原敏昭社長は、「先進的事例になるもの。世界中の患者およびがんの研究に貢献できる」などと述べている。
 今回納入する「PROBEAT」は、陽子線ビームを拡散させずに細い状態のまま用いて、照射と一時停止を高速で繰り返しながら順次位置を変え照射する「スポットスキャニング技術」を搭載しており、複雑な形状のがんにも高い精度で照射し正常部位への影響を抑えることができる。日立は、スポットスキャニング技術搭載の「PROBEAT」で、2007年12月に米国食品医薬局の販売許可を取得している。