科学技術白書閣議決定 原子力人材ロードマップ作成への取り組みなど紹介

2015年6月17日

 平成27年版科学技術白書が6月16日、閣議決定された。
 同白書では、原子力の平和利用に関する取組について、日本は国際原子力機関(IAEA)や米国等と協力し、核不拡散及び核セキュリティに関する技術開発や人材養成における国際協力を先導しているとした。2014年の核セキュリティ・サミットの開催に合わせ、日本原子力研究開発機構の高速炉臨界実験装置(FCA)の燃料(高濃縮ウラン及びプルトニウム)を米国へ輸送すること等を日米首脳の共同声明として発表した例などを挙げ、このような取組を通じて原子力の平和利用に関する国際的信頼を得つつ、核不拡散及び核セキュリティに関する人材育成や技術開発における国際協力を推進しているとした。
 原子力に関する研究開発については、東電福島第一原子力発電所事故を踏まえ、原子力災害からの復興に資する廃炉や除染に向けた研究開発を推進し、原子力の基盤と安全を支える研究開発や人材育成等に取り組んだと説明している。またエネルギー基本計画を踏まえ、総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会原子力小委員会の下に「自主的安全性向上・技術・人材ワーキンググループ」が設置されて軽水炉安全技術・人材ロードマップの作成に向けた議論が行われたこと、「もんじゅ」実施体制の再整備等の克服しなければならない課題について対応を行ったことについて触れている。核融合および核不拡散・核セキュリティに関する技術等の研究開発についても必要な取組を実施したとしている。