福島第一、8月2日に3号機使用済み燃料プールから燃料交換機本体引き上げ
東京電力は7月30日、福島第一原子力発電所廃止措置の進捗状況を発表した。
使用済み燃料プールからの燃料取り出しに向け、28日より開始された1号機建屋カバーの屋根パネル取外しは、来週にも2枚目の取外し作業にかかるとしており、今後も、飛散防止剤の散布や防風カーテンの設置とともに、放射性物質の監視を着実に行い、2015年度中頃までにすべての取外しを完了する計画だ。
また、大型がれき撤去作業が進められている3号機の使用済み燃料プールでは、8月2日に燃料交換機本体の撤去が行われる。2014年8月には、クレーンつり上げ作業中、燃料交換機の操作卓が落下するトラブルが発生しているが、今回の撤去作業に際しては、燃料交換機本体やつり具の健全性確認、実荷重を模擬したモックアップ試験を実施しているほか、万一のプール水漏えいに備えた給水機能やポンプを準備するなど、万全の態勢で臨む。東京電力では、本作業実施に対する一般からの関心が高いことから、特設ページ(http://www.tepco.co.jp/decommision/planaction/removal3/index-j.html)を開設し、随時情報発信を行うこととしている。今後の燃料取り出しに向けて、概ね1年後を目途に設置を開始する燃料取り出し用カバーは、小名浜港で部材が保管されている。
汚染水対策では、1~4号機を取り囲む陸側遮水壁の凍結管1,036本の設置が7月28日に、3号機海水配管トレンチの汚染水除去が7月30日に完了した。2号機海水配管トレンチの汚染水除去は6月30日に完了しており、東京電力では、これにより高濃度の汚染水が流出するリスクが大きく減少したとしている。