金子熊夫氏、日印協力をテーマに都市大で講義

2015年7月31日

都市大金子氏 外務省の初代原子力課長を務めた外交評論家の金子熊夫氏が7月29日、東京都市大学で「日印原子力協定交渉と核不拡散」と題する講義を行った。同学大学院課程で高木直行教授が担当する「原子炉核工学特論」の最終回に当たって、先般の「日本製原子炉からの使用済み燃料再処理を認める方針が政府よりインド側に伝えられた」との報道をとらえ、学外からの傍聴者も受け入れて行われたもの。
 金子氏は、インドの原子力開発の歴史、NPT「非加盟」、核実験、米印原子力協力共同声明(ブッシュ=マンモハン・シン)とNSG(原子力供給国グループ)承認、エネルギー事情などについて、自身が主宰する情報交換ネットワーク「EEE会議」による訪印視察団の経験も交えながら説明した。
 学生たちからは、「インドが期待する日本の技術にはどのようなものがあるのか」など、多くの質問があった。金子氏は、急増するエネルギー需要から、軽水炉技術での対印協力の可能性を述べたほか、インドでは、ウラン資源は十分ではないが、自国で確立を目指しているトリウム・サイクルや高速炉の開発もあることから、「日本にとってもプラスになる」などとして、今後、人材交流を推進していく意義を述べた。