カネカ、KEKにナノ炭素材料「高品質多層グラフェン」を販売開始

2015年8月3日

 化成品メーカーのカネカは7月31日、大型粒子加速器のビーム形状測定センサーに最適なナノ炭素材料「高品質多層グラフェン」の開発に成功し、8月より高エネルギー加速器研究機構(KEK)への販売を開始すると発表した。
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)プロジェクトによる技術協力で、カネカが中心となって開発した厚さ1マイクロメートルのナノ炭素材料「高品質多層グラフェン」が、KEKの検討により、(1)非常に薄くビーム損失が小さい、(2)高品質で壊れにくく加工が可能、(3)実験的に十分な検出感度を持つ――が確認されたことから、大強度陽子加速器「J-PARC」のビーム測定センサー材料に好適であることがわかった。
 KEKでは今秋以降、「高品質多層グラフェン」の本格的な利用を開始する予定だ。