原子力規制行政の問題点を考えるシンポが開催

2015年8月7日

エネフォーラム 原子力規制行政の問題点、審査のあり方について考えるシンポジウム(エネルギーフォーラム主催)が8月5日、東京・千代田区の経団連会館で開催された。エネルギー、温暖化問題などに関して政策提言を行う「霞が関政策総研」を主宰する石川和男氏(社会保障経済研究所代表)がモデレータとなり、前半の敦賀発電所の活断層評価問題に関する考察を踏まえ、後半は、澤昭裕氏(国際環境経済研究所所長)、長辻象平氏(産経新聞論説委員)、森嶌昭夫氏(弁護士・名古屋大学名誉教授)が登壇し、原子力規制委員会の審査や、それを巡る社会の見方について意見が交わされた。
 澤氏は、これまでの審査に対する姿勢から、規制委員会には「頑固な態度をとることで信頼が得られるもの」という誤解があり、また、審査を受ける事業者側にも「規制委員会からOKをもらえばよい」という思いがあることを述べた上で、国民への説明責任からも、ある程度再稼働が進んだ段階で、もう一度安全規制について根本から考え直す必要を主張した。
 長辻氏は、福島第一原子力発電所事故以降、原子力に対する社会の見方が「必要悪」から「絶対悪」に変わってきたと述べたほか、最近の新聞報道についても、原子炉への「燃料装荷」が、兵器をイメージさせる「核燃料装てん」といった書きぶりとなっていることをあげ、心理面の問題を指摘した。
 この他、規制行政への政治的関与、審査プロセスの法的根拠に関する議論もあり、森嶌氏は、規制委員会の法令上の位置付けなどについて考え方を述べた。