南相馬市の下太田工業用地 福島浜通りロボット実証区域第1号に決定

2015年8月10日

 経済産業省は8月7日、福島県南相馬市の下太田工業用地が福島浜通りロボット実証区域に決定したと発表した。8月12日には、福島県福島市で放送機器販売等を手掛けるMTS&プランニングが産業用無人機開発企業のエンルートと共同で、マルチコプターを使用した搬送等試験を同工業用地南側エリアで予定している。
 福島県は、ロボット新戦略に位置づけられた福島浜通りロボット実証区域事業で、ロボットの実証を希望する企業と実証可能な施設を提供する市町村のマッチングを進めていた。2015年4月1日から5月30日までに提出された12の企業からの28種類のロボット実証試験希望を検討した結果、8.8haの面積を有する下太田工業用地が第1号に決定した。
ロボット技術の活用による新たな産業革命の実現を目指し、2014年9月から2015年1月までに計6回開催された「ロボット革命実現会議」でアクションプラン「ロボット新戦略」が取りまとめられた。その中でロボットの開発現場と活用現場の橋渡しとなる実証実験フィールド整備の重要性が指摘されており、具体策の一つとして「福島浜通りロボット実証区域」を設置することが盛り込まれている。このことから福島県および経済産業省・内閣府は共同で「福島浜通りロボット実証区域」事業を実施している。
 内堀雅雄福島県知事は8月7日の会見で、今回の実証試験開始について、福島県のロボット関連産業の集積、さらには浜通りの復興を加速するとの期待を寄せ、「今後は実証区域の更なる拡大を図るほか、取組の成果をイノベーション・コースト構想におけるロボットテストフィールドに反映できるよう国に求めるなど『ロボット関連産業革命の地ふくしま』の実現に向けて、引き続きしっかりと取り組む」と意欲を示した。