東京電力、柏崎刈羽原子力発電所における放射性物質拡散影響評価実施へ

2015年9月14日

 東京電力は9月10日、柏崎刈羽原子力発電所における事故を想定した放射性物質の拡散影響評価を実施すると発表した。発電所の安全対策の有効性確認、住民避難の支援方策検討を目的とするもの。
 新潟県の原子力発電に関する技術委員会は2014年に、フィルタベント設備検討のための事故想定として、放出開始まで25時間後、18時間後、6時間後の3ケースと、「注水できず格納容器が破損しフィルタベントを通さずに放出される」参考ケースによる拡散シミュレーションを実施すると発表しており、東京電力では、これら4ケースと、現在、原子力規制委員会で審査を受けている放出開始を38時間後に延ばしたケースを加えた計5ケースで評価を行う。
 放射性物質の拡散影響評価に当たっては、同社の原子力発電所周辺線量予測評価システム「DIANA」(ダイアナ)により、放出条件や気象データを入力し、時系列的な地点ごとの線量を出力することで、住民避難や屋内退避などの効果を加味した実効的な評価を行うこととしている。
 柏崎刈羽原子力発電所では、格納容器ベント関連で、運用面の改善に基づくベント時間の延伸、ヨウ素フィルタ設置、代替循環冷却設備によるベント回避などの改善を進めている。