原子力規制委員会、再任の更田委員と新任の伴委員が会見

2015年9月25日

FUKETABANsmall 9月19日付で、原子力規制委員として再任された更田豊志委員(=写真左)と、新たに就任した伴信彦委員(=写真右)が24日、記者会見に臨み、更田委員は、「これまでの経験を糧に仕事を進めていくが、この節目に一旦初心を厳しく思い起こす」と、伴委員は、「3年間規制委員が築いてきたことをベースとして、さらに何が問題なのかを整理し、できることを一つ一つやっていく」とそれぞれ決意、抱負を述べた。
 規制委員会発足時に就任し既に3年間委員を務めてきた更田委員は、これまでの仕事について、新規制基準の検討は「法律で期限を定められた中で策定するのが大きなチャレンジだった」と振り返ったほか、それを受けた適合性審査で、基準地震動などの議論に多くの時間が割かれてきたことから、「自然の脅威が自身の担当するプラント側の審査にこれだけ大きく影響するとは思わなかった」とも述べた。また、今後の課題としては、検査制度の見直しや、福島第一原子力発電所廃炉に伴う廃棄物管理などをあげた。
 一方、伴委員は、「放射線・原子力分野の人材が枯渇しかかっている」などと述べ、10年、20年先を見据え、人材育成について考えていく必要を強調した。
 また、これに先立つ9月18日、中村佳代子委員が3年間の任期満了を迎え、退任会見に臨んだ。
 中村委員は、関係者への謝意を述べるとともに、原子力規制庁職員に対しては、ともに仕事をしてきたことや成し遂げた成果を誇りに思うなどと振り返った。また、同氏は、主に放射線影響関連を担当してきたが、放射性物質に関して重要なデータや数値を出す際、「その数値を出すことでそれがどう影響していくか、責任を持って発信していくべき」ことを、科学者として強調した。中村委員は、在任中、原子力災害対策指針策定や、福島第一原子力発電所事故に伴う住民健康管理、緊急時モニタリングのあり方に関する検討などをリードした。