日仏原子力協力ハイレベル対話、産業界の協力を確認

2015年10月6日

 安倍晋三首相とフランスのマニュエル・バルス首相の出席のもと、日仏原子力協力に関するハイレベル対話が10月5日、総理官邸内で行われ、原子力安全の向上や核不拡散強化を確保しつつ、IAEAなどの枠組みも通じて、両国間で緊密な協力を強化していくことを確認した。今回、バルス首相は仏企業関係者とともに来日しており、政府関係の他、日仏産業界も参加して行われたハイレベル対話の席上、安倍首相は「経済成長、世界の原子力安全の向上を図るため、優秀な人材と技術を維持し、原子力産業の健全な発展を促すことが重要」と述べ、原子力技術に関する貿易や産業間の交流ため、知的財産権の尊重、厳格な輸出管理の実施およびOECDの輸出信用ガイドラインを重視することの重要性が確認されたことを評価した。
 フランス側からは、特に産業界の相乗効果を拡大していくことが説明され、両国ともに、引き続き、新型炉の構想・促進、核燃料サイクルの維持、廃炉技術開発などで、産業界が構築してきた協力関係を維持していくことを強調するともに、必要な人材の開発・育成を図ることを確認した。
 また、アレバ社と三菱重工とのパートナーシップによって開発された原子炉「ATMEA-1」に関する協力の重要性も確認され、トルコのシノップ計画への採用に引き続き、他の第三国への広範な普及を継続することで一致した。「ATMEA-1」は現在、安全性を最優先した最新鋭の原子炉として、ブラジル、カナダ他、多くの国に向けてグローバル展開が図られつつある。
 この他、再処理、MOX燃料利用、第四世代高速炉、福島第一原子力発電所廃炉に関しても、協力を継続していくことが確認された。