ICEF年次総会が東京で開催

2015年10月9日

ICEF イノベーションを通じた気候変動問題の解決について、各国政府、企業、学会、国際機関などが集い議論するICEF(イノベーション・クール・アース・フォーラム)の年次総会が10月7、8日、都内のホテルで開かれ、(1)革新的技術の開発・普及に係る民間の取組を促進する施策の実施、(2)共通のビジョンに基づく具体的行動計画の策定、(3)多様な資金メカニズム等による途上国における技術普及の促進――を柱とするステートメントを取りまとめた。
 2014年に続き2回目の開催となる今次ICEF年次総会は、気候変動に係る2020年以降の国際枠組みについて議論するCOP21を2か月後に控え、革新的低炭素技術による世界全体での長期的排出削減、世界の産学官によるビジョン共有やパートナーシップに発展させていく重要な会議と位置付けられている。年次総会では、パリ気候変動会議特別代表のローレンス・トゥビアナ氏が開会セッションに登壇し講演を行った(=写真)。
 初日冒頭、安倍晋三首相は、ビデオメッセージによる挨拶の中で、「気候変動問題の抜本的解決は、エネルギー・環境分野の革新的技術の開発と普及により、世界全体を低炭素社会へと大きく転換すること」と、ICEFの意義を強調した上で、来るCOP21で構築される国際枠組みに向けて「野心的な目標を達成する鍵はイノベーション」と来場者らに呼びかけた。
 今回ICEFでは、太陽光エネルギーと電力貯蔵技術について「イノベーション・ロードマップ」を策定することがステートメントに盛り込まれた。会期中、地熱発電、水素、原子力他、多分野の専門的議論が分科会で行われ、今後も、これらに関してもロードマップを策定していくとしている。