農研機構、土壌中の深さ別放射能分布を測定できる装置を開発

2015年10月9日

 農業・食品産業技術総合研究機構は10月8日、土壌中の深さ別の放射能分布を現地で短時間に測定できる装置を開発したと発表した。
 このほど開発した装置は、長さ50センチメートルのセンサー部に複数のガンマ線検出器を搭載しており、挿入した土壌中の放射線を2.5センチメートル刻みで深さ別に測定できるほか、各検出器での測定値を解析することで、放射能分布を推定することも可能だ。
 従来法の試料を実験室に持ち帰り測定する方法では、採取から結果の取得までに数日を要していたが、本装置で要する測定時間は、表層5センチメートルの放射性セシウム濃度が8,000ベクレル/kgの土壌であれば3分以内と、大幅な短縮が図られている。
 本装置により、土壌の汚染された深さを現地で把握できるため、除染対策が必要となる範囲を効率的に特定することが可能となり、適切な除染手法の選定につながることが期待される。また、土壌だけでなく、センサーを挿入できる対象ならば、コンテナバッグや貯水池にも適用できる。