三菱重工と仏ENGIE社、広範なエネルギー関連技術の開発に向け覚書締結
三菱重工業は10月9日、フランスの大手電力・ガス会社ENGIE(旧GDFスエズ)社と、火力発電、原子力発電、再生可能エネルギー、分散電源など、発電からの供給、それらの技術革新を含めたエネルギーバリューチェーンの全分野において、協力を推進していくことで合意したと発表した。今回の協力合意は、各種電源を広くカバーするとともに、電力供給におけるエネルギー効率の向上や、資源利用の最適化、CO2排出削減などを実現する多様な革新的技術と、その継続的な運用に必要なメンテナンスなどのサービスを対象とするもの。
これを通じ、両社は特に、各地域の電力事情、環境規制などに応じた発電設備の効率向上と、CO2排出削減を可能とする技術とサービスの開発に注力していく方針だ。それらには、火力発電設備とその付帯設備の最適化、高効率ガスタービン市場の開拓、電力・熱・水素の複合生産、燃料電池、モニタリングシステムの他、カーボンフリーの基幹電源としての原子力発電事業の推進、市場開拓など、広範な革新的ソリューションの開発が含まれる。
三菱重工の宮永俊一社長は、今回合意に関する覚書締結に際し、「技術・サービスの市場導入までの期間短縮と、より的確な電力利用者のニーズへの対応に資するとともに、資源を最高の効率により利用するシステムの開発を可能にする」と述べている。一方、ENGIE社のジェラール・メストラレ会長は、「全世界のエネルギー分野に最新のソリューションを提供していくという両社相互のコミットメントをうたったものであるとともに、両社の高度な技術力とこれまでの協働の経験をベースに、新たな協力の道を拓くものとなる」としている。
10月5日に都内で行われた日仏首脳会談に際し、フランス・バルス首相は企業関係者とともに来日しており、今後の両国間における産業界の関係強化が確認されている。