日イラン外相会合 原子力協力で事故後対応や耐震構造の重要性を学ぶ機会など提供

2015年10月14日

 イラン訪問中の岸田文雄外相は10月12日、ザリーフ・イラン外務大臣と外相会談およびワーキング・ランチを実施した。ラヒームプール・アジア大洋州CIS担当外務次官、小林駐イラン大使、上村中東アフリカ局長他が同席した。
 岸田大臣は、「包括的共同行動計画(JCPOA)」の着実な履行の重要性に触れ、履行日以降、IAEAとの協力のもとイランが着実に履行するのを支援するため、原子力安全およびIAEA保障措置・透明性措置実施の分野で協力していく意図を表明した。また履行日以降の両国間の経済関係拡大および強化についても強調した。
 ザリーフ大臣は、EU3+3とイランの双方がJCPOAを着実に履行することが重要であるとし、日・イラン間の各種協力の進展に歓迎の意を表するとともに、両国間での多様なレベルの交流の活性化、日本が知見を有する原子力安全分野における協力の進展や日・イラン経済関係のさらなる拡大に向けての期待を表明した。
 会談後に発表した日・イラン協力に関する共同ステートメントでは、JCPOAの着実な履行を後押しするための協力に関し、履行日以降、原子力安全向上支援として、イランの規制当局者や専門家に対する事故後対応や耐震構造の重要性を学ぶ機会を提供することや、JCPOAで言及されている原子力安全センター(Nuclear Safety Centre)の設立支援として、専門家派遣や研修の実施、核物質計量管理を中心とした分野での研修等を通じた人材育成支援の実施に向けて調整を行っていくことなどが表明された。また「日・イラン協力協議会」の立ち上げおよび投資協定交渉の実質合意についても触れられた。