内閣府、福島第一事故時にオフサイトで防災業務に従事した自衛隊員らの累積被ばく線量まとめ

2015年10月27日

 内閣府は10月26日、原子力防災に関する有識者会議で、福島第一原子力発電所事故時に、発電所から20キロメール圏内のオフサイトで防災業務に従事した警察、消防、自衛隊の累積被ばく線量を報告した。
 これは、原子力災害の初期段階(概ね2011年3月12~31日)に、発電所から20キロメール圏内で、オンサイトでの活動実績のある者は除き災害救助活動などに従事した警察官、消防隊員、自衛隊員ら、計2,967人について分析したもので、調査の結果、当該期間の累積被ばく線量で1mSv未満が62%、1~2mSvが19%、2~3mSvが8%、3~4mSvが4%、4~5mSvが2%、5~10mSvが5%だった。また、1日当たりの線量データが得られている者は81人で、そのうち最も累積被ばく線量の高かった者(約1.6mSv)に着目すると、3月15日までの間に線量が急激に増加し、16日以降は漸増となっていた。
 調査報告では、事前の作業計画による工程管理とともに、防災業務関係者の安全確保の観点から、適切な防護措置に加え、線量管理、作業管理、モニタリング情報の共有などについて、発災初期から継続して着実に対応を図り、また、今回の分析では、外部被ばくのデータを扱っているが、リアルタイムでの把握が困難な内部被ばくの抑制についても、必要な装備を整えることが必要だと指摘している。