福島第一廃炉、「高所ドライアイスブラスト除染装置」実機適用へ

DRYICEROBO

高所用ドライアイスブラスト除染装置ⓒIRID

 福島第一原子力発電所廃炉に関する遠隔除染技術の開発に取り組む国際廃炉研究開発機構(IRID)は10月29日、高所エリア除染に向けたロボット「高所ドライアイスブラスト除染装置」の実証試験結果を発表した。ロボットは、東芝が主体となって開発したもので、愛知県内の工場に原子炉建屋内の一部に見立てたモックアップ設備を組み立て、狭い場所、段差、暗闇の中での走行や、除染性能を確認する実証試験が8月末に終了しており、今後は、習熟訓練を行った後、11月中旬頃から3号機原子炉建屋1階南西部を対象に実機適用となる運び。
 福島第一の原子炉建屋1階では、床面などの低い位置での除染が既に行われているが、汚染状況の調査によると、高所部分(ダクト、ケーブルトレイ、配管など)からの放射線量が7割程度と最も高いことから、新たに開発したロボットには、これら高所エリアの線量を低減させる効果が期待されている。ロボットは、ダクト、配管、壁などにこびりついた汚染物質を、ドライアイスのパウダーを噴射して薄く削り取ることで除染するが、ドライアイス自体は昇華してしまうため、二次廃棄物が少なく母材を傷めにくいのが特長で、計22台のカメラを駆使して遠隔操作され、垂直方向に伸縮し約8メートルの高さまで対応可能。実機での除染作業は、高所除染装置の後ろに、低所除染装置を連結配置し、3台構成で実施する。
 実証試験では、段差、坂道、砂利道、暗闇、狭あい部での遠隔走行性を確認したほか、除染性能では、高さ8メートルでの模擬汚染剥離や、上面吸引除染試験では10ミリメートル程度の小石まで吸引できることが確認された。
今後、「高所ドライアイスブラスト除染装置」については、習熟訓練や具体的な除染対象箇所の優先順位付けを行った上で、福島第一での実機適用を行い、続く高圧水ジェット洗浄装置など、高所除染装置の高度化検討につなげていく。