東京電力の原子力安全改革、外部監視委員会も進歩を評価

2015年11月24日

 東京電力は11月20日、2013年度より取り組んできた原子力安全改革に関する自己評価について、同社の外部監督組織「原子力安全改革監視委員会」に報告した。
 東京電力は2012年度末、福島第一原子力発電所事故の総括とともに、事故の背後要因となった「安全意識」、「技術力」、「対話力」の不足を補い、向上させることを目的とする原子力安全改革プランを策定・公表した。今回の自己評価は、改革プラン策定から3年となる年度末に向け、(1)経営層からの改革、(2)経営層への監視・支援強化、(3)深層防護提案力の強化、(4)リスクコミュニケーション活動の充実、(5)緊急時対応力(組織)の強化、(6)緊急時対応力(個人)の強化および現場力の強化――の各対策について、重要評価指標(KPI)などに基づき実現度合いを測定した上で、監視委員会に対し客観的評価を求めている。
 監視委員会のデール・クライン委員長は11月20日、東京電力本店で記者会見に臨み、前日の柏崎刈羽原子力発電所における緊急時対応訓練の視察、現場職員との対話も含め合わせ、「安全文化がラインの管理職にまで浸透しつつある状況を見ることができた」などと、同社の原子力安全改革の取組を評価した上で、「安全には終わりがない」として、満足することなく一層の改善・向上に努めていく必要を述べた。
 柏崎刈羽について、同委員会では、安全設備の設置、多重多様な電源・水源の整備など、事故の反省と検証結果を踏まえ、設備面・運用面の対応が着実に進められていることを確認したとしている。