東芝他、MRI検査時の閉所不安感を解消する広視野バーチャル映像表示技術を開発

2015年12月1日

 東芝と東芝メディカルシステムズは11月30日、MRI検査時の閉所不安感を解消する広視野バーチャル映像表示技術を開発したと発表した。MRIによる検査は、狭い空間の通過や騒音で患者が不安感を受けることがあるが、本技術では、MRI検査装置のボア(トンネル状の部分)内に設置したドーム型スクリーンにプロジェクターから映像を投影することで、検査空間を感じさせない広視野・高臨場感を与えリラックスできるようにする。
 本技術は、寝台の位置に応じて動く半透過型ドームスクリーンをボア内に設置し、磁界の影響が及ばないMRI検査装置後方のプロジェクターから、スクリーンとボア内カバーに映像を投影し、寝台に設置されたミラーに反射された映像を患者が眺めることで、検査空間を感じさせない環境を作り出すというものだ。
 ボア内に設置されたドーム型スクリーンは、同社が研究開発してきた車載用ヘッドアップディスプレイなどの基盤技術が活かされており、患者がミラーに反射された映像を見ると、実際のボア内カバーより遠くに写し出されているように感じられ、広々としたバーチャル空間を体感することができる。また、検査前でもドーム型スクリーンはボア入口に位置して映像を表示し、トンネル構造を患者に見せず不安を軽減するほか、検査開始時にはドーム型スクリーンが寝台と連動してボア内に移動することで閉所に入る感覚を低減するようになっている。
 同社は、11月29日から米国・シカゴで開催されている北米放射線学会で本技術を展示している。