「イノベーション・コースト構想」、ロボット研究開発の拠点具体化に向け検討開始

2015年12月22日

 福島県浜通り地域の復興を支援する「イノベーション・コースト構想」の主要プロジェクトとなる「ロボットテストフィールド」と「国際産学官共同利用施設」(ロボット)について、事業の具体的な進め方を検討する委員会が経済産業省に設置され、12月21日に初会合を開催した。委員会は、有識者、研究機関、産業界、自治体、関係省庁が参画し、年度内を目途に中間整理を取りまとめる。
 2014年6月に取りまとめられた「イノベーション・コースト構想」は、福島県浜通りを中心とする地域の経済復興のため、オリンピックが開催される2020年を当面の目標に、廃炉の研究拠点や、ロボットの研究・実証拠点などを整備することを通じ、イノベーションによる産業基盤の構築を目指すもので、10月に楢葉町に開所した廃炉ロボットのモックアップ施設もその一つだ。
 このほど具体化に向け検討を行う「ロボットテストフィールド」は、小型無人機や災害対応ロボットの実証拠点を整備するもので、2016年度以降事業化に着手し、新たなニーズを取り込みながら、ロボットコンテストの開催、部品供給企業や組立企業の誘致などを図り、段階的に施設・機能を拡充しロボット産業の集積を目指していく。また、ロボット技術開発に向け、国内外の大学、研究機関、地元企業などが連携活動を行う拠点となる「国際産学官共同利用施設」も2016年度以降の事業化を見込んでいる。