原子力機構「JRR-4」廃止へ、BNCTで多くの実績

2016年1月6日

 日本原子力研究開発機構は12月25日、研究炉「JRR-4」の廃止措置計画について、原子力規制委員会に認可申請を行った。「JRR-4」は、最大熱出力3,500kW、スイミングプールタイプの原子炉で、1965年に初臨界、当初の目的である原子力船「むつ」の遮蔽実験を終え、1998年の改造後、2010年12月まで、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)、放射化分析、半導体シリコンの照射、技術者養成など、多くの分野で利用されてきたが、2013年の原子力機構改革計画に基づく事業合理化の一環で廃止されることとなった。
 BNCTでは、悪性脳腫瘍の治療を中心に実績を積んでおり、2006年からは近接する東海村立病院と連携した臨床研究を行うなど、医療機関と協力しながら先端的がん治療法に関する成果を挙げてきた。
 こうした高経年の国内研究炉の廃止を見据え、日本学術会議の有識者分科会は2013年、「BNCTなどの先駆的・開拓的な研究に適した柔軟性の高い研究の場を失う」として、後継の研究炉を検討するよう提言している。