水産加工関連業者の震災復興状況、生産能力に比べ売上では遅れが

2016年2月25日

 水産庁は2月23日、青森、岩手、宮城、福島、茨城の5県で、かまぼこや珍味などを製造する水産加工関連890業者を対象として、2015年11月~16年1月に実施した東日本大震災からの復興状況に関するアンケート調査結果を発表した。アンケートの回収率は30%だった。
 それによると、生産能力が8割以上回復した業者は、5県全体で58%、県別には、青森100%、岩手60%、宮城69%、福島30%、茨城48%、売上が8割以上回復した業者は、5県全体で48%、県別には、青森90%、岩手61%、宮城60%、福島21%、茨城28%となっており、前回調査(2014年11月~15年1月)と同様に、生産能力に比べ売上では回復が遅れている傾向とともに、地域間に差がある状況がみられた。経営規模でみると、業者の資本金が小さいほど、生産能力、売上ともに回復が遅れているという調査結果も示された。前回調査では、生産能力が8割以上回復した業者は5県全体で50%、売上が8割以上回復した業者は5県全体で40%だった。
 また、復興における問題点にあげられたものでは、「販路の確保・風評被害」が5県全体で44%と最も多く、前回調査の同31%を上回る結果となった。さらに、販路回復で必要とされる施策としてあげられたものでは、「既存の販売チャンネル以外における販売」、「新商品の開発」、「展示会等への参加」が多かった。