「もんじゅ」検討会、「ふげん」と比較しプロパー/経験年数の要員構成を議論

2016年3月7日

 日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」のあり方に関する文部科学省の検討会が3月4日、第4回会合を行い、主に組織体制や要員構成などについて、同じく機構が開発を進め、運転してきた新型転換炉「ふげん」と比較しながら議論した。
 新型転換炉は、通常の軽水炉で燃焼させる濃縮ウラン以外に、天然ウランも使用できるなど、燃料の多様化を図る上でメリットがあり、その原型炉プラントとなる「ふげん」は、BWRと類似した構造を有しているが、核分裂しやすい条件を作るため、減速材に重水を用いているのが特徴だ。「ふげん」は、1978年の発電開始から2003年の運転終了まで、219億2,400万kWhを発電したほか、MOX燃料の累積装荷数では世界最多となる772体に達し、プルトニウム利用技術の確立に貢献するなど、大過なく実績を積んできた。
 開発体制に関して、検討会での原子力機構の説明によると、「ふげん」について、電力・メーカーとの協力体制などの状況は、「もんじゅ」と同様とする一方、試運転開始前に採用したプロパー職員が運転終了まで従事してきた「ふげん」では、現場経験豊富な職員が多く残り続けたという相違点があげられた。特に、保守部門では、20年以上の経験者の比率が、「ふげん」の運転終了時(2002年度)で約75%だったのに対し、現在の「もんじゅ」では約20%と、大きく開いている。
 これを受け、委員間の討論の中では、原産協会理事長の高橋明男氏が「もんじゅ」における管理職のキャリアパスについて尋ねるなど、要員構成に関する発言があり、次回以降の会合で、管理職と技術系職員の構成比や、プロパー職員が必要とする経験知などについて、原子力機構より回答を求めることとなった。