京大「KUR」など研究炉3基、新規制基準適合性審査が終盤に

2016年3月9日

 原子力規制委員会は3月9日の定例会合で、新規制基準への適合性確認が進められている研究炉の審査状況について担当官より報告を受けた。
 それによると、現在、審査途上にある研究炉8基(臨界実験装置2基を含む)のうち、京都大学「KUR」、同「KUCA」(臨界実験装置)、近畿大学原子炉「UTR-KINKI」については、論点を概ねクリアしており、今後、残された課題の確認のため、設置者からの再補正申請を要するものの、審査が終盤となっていることが示された。
 そのうち、2014年9月に審査が申請された京大「KUR」に関しては、これまで、公開の審査会合が21回行われており、同「KUCA」と共用だったディーゼル発電機の「KUR」専用への変更や、断層帯の活動部分見直しに伴う基準地震動の再評価など、設置者による必要な対応がなされ、3月8日には田中知委員が現地視察を行ったところだ。京大では、審査をクリアし今秋にも「KUR」を運転再開したいとしている。一方、近大では、「UTR-KINKI」の9月運転再開を目指している。
 規制委の田中俊一委員長は、会合の中で、研究炉の人材育成における役割の重要性に言及した上で、規制側としても今後、審査プロセスを注視していく考えを述べた。