規制委、IRRSの指摘踏まえ検査制度改善に向け検討チーム始動へ

2016年4月26日

 原子力規制委員会は4月25日、1月に受け入れたIAEA総合的規制評価サービス(IRRS)の報告書が示した指摘事項への対応として、検査制度の改善や放射線源規制の再構築に向け詳細検討を5月頃より開始することを確認した。
 加盟国からの要請に基づき、原子力規制に関する制度や組織など、幅広い課題について総合的レビューを実施するIRRSのミッションチームは、関係機関からのヒアリングや原子力施設への訪問を行った後、暫定報告書を公表して1月11~22日の日程を終了したが、このほど本ミッションの最終報告書がIAEAより日本政府に提出された。報告書では、福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた規制体制の整備などを評価する一方で、規制に係る職員の能力向上、検査制度の改善、放射線源の緊急事態に対する取決め整備などに関し、勧告・提言を示しており、規制委員会では、全般的認識として「今回なされたすべての指摘を真摯に受け止め、実効的な方法で速やかに対応する」としている。
 その中で、検査制度や放射線源規制の改善については、5月頃より外部有識者によるチームを設置して詳細検討を開始するほか、米国原子力規制委員会に職員5名程度を派遣し検査実務を学ばせるなどした上で、今秋にも検討結果を取りまとめ、2017年2月頃に関連法案の国会提出とする運びだ。新制度は同年4月からの一部施行、2019年頃のIRRSフォローアップミッション受入れを挟み、2020年度からの全面施行を目指す。