会計検査院、原子力災害対策に係る施設・資機材の整備で指摘

2016年4月27日

 会計検査院は4月25日、原子力災害対策に係る施設・資機材の整備状況に関する報告書を発表した。報告書では、地域のオフサイトセンターや防災資機材の整備状況に関する調査結果を踏まえ、内閣府(原子力防災担当)に対し、立地自治体が行う原子力災害対策施設整備に対し財政支援を図る上での留意事項を指摘している。
 その中で、オフサイトセンターに関しては、整備した防災資機材が緊急時に有効に機能するよう、要員の訓練など、体制面の強化に努めるとともに、代替オフサイトセンターの整備も自治体と連携して速やかに必要な措置を講ずるべきとしている。
 また、防災資機材に関しては、防災訓練の際に、放射線測定器の普及啓発を図り、緊急時に活用できるよう周知していくことなどを求めている。会計検査院では、「周辺対策交付金」により、自治体が2013年度に購入した放射線測定器の2015年9月までの活用状況を調べたところ、8,672台中、6,729台は一度も普及啓発のためには使用されておらず、また、自治体が緊急時に活用するとしている放射線測定器4,107台中、3,508台については誰が測定し、その測定値を何に用いるのかなど、具体的な活用方法が定められていなかったとしている。