中国電力、経営計画で上関原子力開発の早期着手を掲げる

2016年4月28日

 中国電力は4月27日、2016年度経営計画を発表した。その中で、原子力については、新たなエネルギーミックスや温室効果ガス排出削減目標のもと、再生可能エネルギーの拡大とともに、一定の比率を維持していく必要から、経年炉に代わる安全性に一層優れた新規原子力発電所開発を計画的に進めていくとしている。
 同社では、高経年炉の島根1号機を昨春廃止しているが、現在、原子力規制委員会で新規制基準適合性審査が進められている同2号機の再稼働や、建設中の同3号機の早期運転開始を目指すとともに、新設となる上関原子力発電所の開発を「これまで以上に重要な経営課題」とし、早期に着手できるよう取り組んでいくとしている。
 上関原子力発電所計画は、山口県上関町長島最西端に、137.3万kWのABWRを2基新設するもので、2000年の公開ヒアリング開催後、2001年に国の電源開発基本計画に組み入れられたが、用地・漁業補償交渉に年月を要し、2009年より準備工事が開始された。2018年の1号機営業運転開始に向けて、敷地の地盤改良工事などが進められたが、2011年3月の震災により準備工事は中断し、運転開始時期は未定となっている。