G7北九州エネルギー大臣会合が開催
「グローバル成長を支えるエネルギー安全保障」をテーマとするG7北九州エネルギー大臣会合、(議長=林幹雄経済産業相)が5月1、2日、先進主要7か国(日本、米国、カナダ、ドイツ、フランス、英国、イタリア)、EU、国際エネルギー機関(IEA)、国際再生可能エネルギー機関より、閣僚らの出席を得て開催された。今回会合では、「エネルギー投資の促進」、「エネルギー安全保障の強化」、「持続可能なエネルギー」について議論を深め、共同声明「グローバル成長を支えるエネルギー安全保障のための北九州イニシアティブ」を採択した。共同声明は、エネルギー投資、天然ガスセキュリティ、原子力安全、サイバーセキュリティ、技術革新に関するメッセージ・アクションを盛り込んでおり、来るG7伊勢志摩サミット首脳会合の議論に資することとなる。
原子力分野では、福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策の着実な進展を歓迎するとともに、原子力利用国において、原子力政策に対する社会的理解を深めるため、科学的知見に基づく対話と透明性の向上が極めて重要との認識を共有した。さらに、原子力を利用するすべての国に対し、高いレベルの原子力安全、核セキュリティ、核不拡散を確保し、その専門的知見や経験の共有を要請することが共同声明に盛り込まれた。また、林経産相とE.モニーツ・米エネルギー省長官とのバイ会談では、原子力、石油・天然ガス、クリーンエネルギーなど、幅広い分野での協力関係を深化させるとともに、気候変動対策の重要性が高まる中、イノベーションを通じて世界のエネルギー技術の革新・普及を両国でリードしていくことが確認された。
この他、アジア地域で利用が急拡大する天然ガスについては、IEAが中心となり、訓練などを通じ緊急時対応力を強化することや、国際的なLNG市場の確立を目指すことが合意され、日本からは、低廉かつ安定的なLNG調達を進めていくための対応を取りまとめた「LNG市場戦略」を発表した。
今回開催地となった北九州市は、市民や事業者の参加により地域のエネルギーシステムを構築する「スマートコミュニティ創造事業」を推進しているほか、輸入途絶や大災害のリスクに備えた洋上の白島石油備蓄基地を有することなどから、エネルギーに関する国際的議論を行うのに相応しい場として選ばれた。