東芝、米CB&IとのSTP3、4号EPC契約など解消

2016年5月12日

 東芝は5月11日、米国大手エンジニアリング会社のCB&Iと締結していた米国サウステキサス・プロジェクト(STP)3、4号機におけるエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約、およびABWRの海外建設協力などの一連の契約について、解除することで同社と合意したと発表した。本合意に伴い、CB&Iは、EPC契約者としてSTPから撤退するとともに、STPおよびABWR事業開発会社のNINA社に対し保持している債権を放棄し、これにより、ニュークリア・イノベーション・ノース・アメリカ(NINA)社の債務が減額され、STPへの投資環境が改善するとしている。
 東芝は2010年11月、米国大手エンジニアリング会社のショー・グループ(現CB&Iの傘下)と、海外で受注するABWRの建設関連作業について、包括的に協力することで合意し、ショーと東芝アメリカ・ニューリア・エナジーとのコンソーシアム契約に基づき、STPを共同で推進していた。また、当該契約締結の前提として、ショーは東芝との協力関係に対する投資を決定し、STPにも融資することとしていた。
 また、NINA社は2016年2月に、STP3、4号機の建設につき、米国原子力規制委員会から、建設・運転一括認可(COL)の承認を受けていたが、建設予定地のテキサス州では現在電力価格が低迷していることから、今後電力市況を見極めながらパートナー企業を募集し、適切な時期に建設開始の判断をすべく関係者と協議している。
 一方、CB&Iが新規原子力発電所建設事業からの撤退を表明し、NINA社ではSTPにおけるCB&Iからの融資が見込めなくなったことから、本関連契約を解除することで互いに合意した。STPの投資環境が改善することにより、今後、STPの建設工事への参画を望むエンジニアリング会社の参入も可能となる。
 なお、東芝では、火力事業を中心に重要なパートナーとして、今後もCB&Iとの協力関係を維持していくとしている。