全原協総会が開催、政府関係者との意見交換が行われる

2016年5月20日

 ZENGENKYO全国原子力発電所所在市町村協議会の定例総会が5月19日、都内ホテルで開かれ、2016年度の活動計画として、被災地復興への着実な取組を始め、原子力安全規制・防災対策の実効性向上などを、国・関係機関に要望していくことを了承した。また、協議会の会長に渕上隆信・敦賀市長が再任された。
 開会挨拶の中で、渕上会長は、福島での原子力災害発生から5年が経過し、避難生活の長期化によって新たな課題も生じていることを懸念し、引き続き被災地の声を国に対し訴えかけていく考えを強調した。また、昨今の原子力政策の動きに関し、昨夏策定された長期エネルギー需給見通しの実現に向け、規制基準に適合した原子力発電所の再稼働を進め、着実に安定運転の実績を積み重ねていく必要を述べたほか、廃炉に伴う立地地域への支援強化などを求めた上で、立地地域として「確かな『安全』を求め日々真剣に取り組んでいる」などと、国策に協力している思いが広く理解されるよう訴えた。
 総会では、政府関係者との意見交換が行われ、先般同協議会が提出した原子力防災に関する要請書に対し、白石徹内閣府大臣政務官(原子力防災)が回答に立ち、原子力防災業務従事者の対応能力向上について「研修施設の整備を含めしっかり検討する」などと、充実強化に努めていく考えを述べた。さらに、双葉町から、今後の帰還困難区域への対応について質問があったのに対し、同政務官は、今夏を目途に方向性を示す考えを述べた。
 この他、立地地域からは、六ヶ所再処理工場の停滞に伴う使用済み燃料貯蔵ひっ迫への懸念、原子力発電所の再稼働を禁止する司法の動きから新規制基準の信頼性に疑義を呈する声もあり、経済産業省、原子力規制庁などが国としての考え方を説明した。