福井県、使用済み燃料の「搬出促進税」を創設する条例案を議会に提出
福井県は、6月3日に開会した定例県議会に、廃止措置中の原子力発電所に対して課税するとともに、使用済み燃料の県内貯蔵が常態化しないよう新たに「搬出促進税」を創設する条例案を提出した。
議会開会に際し、所信表明で当面の県政主要課題をあげた西川一誠知事は、原子力発電所の廃炉に関し、関西電力と日本原子力発電との間で締結した協定に基づき、5月に、美浜1、2号機、敦賀1号機の廃止措置状況について報告を受けたことに触れ、両社に対し「運転中と同様の安全確保や県外における使用済み燃料の中間貯蔵、また、解体廃棄物の処理・搬出の着実な実施を求めた上で、県内企業が廃止措置工事に参入しやすくなるような具体的でわかりやすい説明を要請した」と述べた。この他、知事は、関西電力高浜1、2号機の運転期間延長に関する県民理解、「もんじゅ」を含む核燃料サイクル政策への政府一丸となった取組を求めるとともに、高浜地域における県域を越えた広域避難訓練を8月27日に実施することなど、原子力防災対策の充実に努めていく考えを強調した。
西川知事は、総合資源エネルギー調査会の委員を務めているが、原子力政策に関する議論の中で、核燃料サイクル事業の停滞に鑑み、発電所内の使用済み燃料について、電力消費地域での引き取りにも言及するなど、立地地域として貯蔵容量のひっ迫を懸念している。